『シャザム!【仮!】』のテーマは「笑い」 ─ 「過去作観てなくても大丈夫」のDC映画、独自の作風で勝負

『アベンジャーズ』など、それぞれの作品がひとつに繋がるマーベル・シネマティック・ユニバースとは異なり、DC映画はこの頃、各作品ごとに独立した世界観を強調する作りになっている。米ワーナー・ブラザースも、「ユニバースの世界観共有には、あまり焦点を当てないようになっています」と証言。2019年4月19日日本公開予定の最新作『シャザム!』も、やはり独自の世界観の中にあるという。
バットマンやスーパーマンを有するこれまでのDC映画といえば、ダークでシリアスな作風が特徴的だった。一方で直近作の作風には変化が見られ、『ワンダーウーマン』(2017)はスペクタクル大作として、2019年2月8日日本公開予定の『アクアマン』では爽快感あふれる海洋アクション・エンターテインメントとして仕上げた。
続けて放たれる『シャザム!』がフィーチャーするのは「笑い」だ。同作日本公式Webサイトでは、「ヒーロー映画なのに、掟破りにコメディ」「日本中に爆笑をお届けする!」と謳われている。荘厳さを極めにかかった『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)当時では考えられないような方向性だが、果たしてその独立性とはいかほどのものなのか。
この記事には、『シャザム!』の内容について触れている箇所があります。
『シャザム!』の独立性
まず証言したのは、同作のデヴィッド・F・サンドバーグ監督。米Heroic Hollywoodのインタビューで「ダークだった『ジャスティス・リーグ』への批評を受けて、明るい映画を作ることになったのか」と尋ねられ、「(『シャザム!』は)独立した映画なので、影響は受けていないですね」と否定している。「『ジャスティス・リーグ』とは全く異なります。同じユニバースなんですけど、トーンが全然違う。」
同じ頃、米ScreenRantは『シャザム!』主演ザッカリー・リーヴァイへのインタビューを行っており、同様の回答が引き出されている。「間違いなくDCEUに属している」と明言したザッカリーだが、「非常に独立した映画です。過去作を観ていなくても大丈夫。まったく独自のストーリーなんです」と説明した。
ちなみに同作予告編では、アクアマンのTシャツ姿の登場人物や、部屋に飾られたバットマンの武器(バッタラン)、スーパーマンを報じる新聞紙など小道具によって過去作との繋がりが示唆されている。『ジャスティス・リーグ』の面々も玩具として登場するそうだが、ザッカリーによれば中には登場させられなかったキャラクターもいたそうで、スタジオやプロデューサーより「そのキャラクターはダメです。まだユニバースに加わっていないので、こちらのキャラクターでお願いします」と言われていたという。
対岸マーベル・スタジオがシリーズ作を連続ドラマ的にリリースする一方で、DC映画は各作品を一作だけで楽しめる独立した映画として送り出してく構えだ。今後、「DC印」の映画がどのような健闘を見せてくれるのか。まずは世界興行収入10億ドルを突破した『アクアマン』が2019年2月8日に日本公開を控え、続いて『シャザム!』は2019年4月19日の日本公開。翌週26日には『アベンジャーズ/エンドゲーム』も待っているが…。
『シャザム!』公式サイト:http://shazam-movie.jp
Source:ScreenRant,Heroic Hollywood