『007 スカイフォール』冒頭のボンド誤射シーン、元スナイパーがガチ批評「全くもって起こり得ない」

映画『007 スカイフォール』(2012)の冒頭では、遠くからターゲットの男を銃で狙う女性エージェントが敵と揉み合っていた仲間のジェームズ・ボンドを誤って撃ってしまう。2人が格闘していたのは高速列車の上。ナイスショットには変わりないが、実際のスナイパーでもやってのけられるのだろうか。
米Insiderでは、米陸軍にスナイパーとして所属していたニコラス・アーヴィングが、『スカイフォール』の冒頭シーンを本気で批評。実体験に基づきシーン毎に解説を加えるアーヴィンだが、かなり辛口だ。
「これはないな。孤立無援ですし、彼女も無理に撃とうとしている。あの銃はOlympic Arms K23Bですかね?これでは50メートル先までしか正確に撃てないですよ。(映画では)距離的に数百メートルはありそうじゃないですか。ケースにしまって、違う銃を選んだ方が良いですね。」
さらに、「彼女が命中できたとは思えない」と続けるアーヴィング。米陸軍特殊部隊の狙撃手として戦地で30人以上の敵を撃ち落とし、「死神」という異名で呼ばれた彼にとって、実戦のリアルは以下のようなものだという。
「軍隊では、誰も怪我させず誰も殺さず、標的以外のものを傷つけることはあり得ない。それが命中というものです。もし彼女の標的が2人のどちらかなのであれば、あの5.56ミリ弾はものすごい勢いで敵を貫くだろうし、助けようとしている人まで殺してしまうかもしれないです。
もし自分が撃てと言われたら、トリガーは引きますけど、何も保証はしません。幸い、列車は左右に動かず彼女の方へ向かってきていますが、撃つのにも数学的なものが関わっています。迫ってきているか遠ざかっているかで、標的の上を狙うのか、下を狙うのかが変わってきます。ただ正面から撃つのではなく、標的を弾に走らせなければいけないんです。」
エージェントに撃たれたボンドは列車が走っていた橋から落下し、敵も逃げてしまった。『スカイフォール』ではここから物語が動いていくのだが、辛口のアーヴィングは冒頭のシーンにこのような評価を下している。「私だったら、(10段階評価で)1をつけます。全くもって起こり得ないですから」。
アーヴィングは『スカイフォール』のほか、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015)や『ハクソー・リッジ』(2016)『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020)といったアクション映画での銃撃シーンについても解説している。気になる方は下の動画でチェックしてみては。
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