ビンタされたクリス・ロックが初コメント ─ ウィル・スミス、アカデミー追放処分の危機

第94回アカデミー賞授賞式の場で起こったウィル・スミスのビンタ騒動に新たな展開だ。騒動後、沈黙を貫いていたクリス・ロックが初めて公の場に登場、出来事に言及したほか、ウィル・スミスには重い処分が下される可能性が浮上している。
「ワオ、オーケイ!」クリス・ロックは真っ白なスーツでステージに登場した。2022年3月30日(現地時間)、もともと予定されていた自身のトークショーがボストンで開催されたのだ。米Varietyのレポートによれば、客席はしばらくスタンディングオベーションが鳴り止まず、クリスは「よう、ショーをやらせてくれ!」と発したという。続けてこうトークしている。
「週末はどうだった?あの出来事に関するものはないぜ。あれについて聞きに来たんだって?今日のショーは、週末前に書いたものだよ。
僕はまだ、起こった出来事を受け止めようとしている最中。そのうち、トークの材料にするよ。マジメで、面白くね」
米VarietyのInstagramでは会場の音声も公開されているが、クリスの調子は変わらずで、トークは大盛り上がりで受け入れられていたことが聞き取れる。観客席からは、「ファック、ウィル・スミス!」と、ウィルを罵倒する野次も聞こえる。クリスのこのショーのチケット価格は、騒動で注目を集めたことで高騰していた。
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一方、アカデミー賞授賞式の新たな舞台裏も明らかになっている。当日、アカデミー側はウィルが平手打ちを行った後に、式典から去るように求めたというが、ウィルがこれを拒否したという。
既に各所で波紋を広げている本騒動。どうやらただ事では済まされない。アカデミー側は、ウィルの行為は「不適切な身体的接触、罵倒または脅迫、アカデミー賞の品位を損なう」ものだとして、懲戒手続を開始した。調査の後、4月18日に行われる理事会において、ウィルの除名をも含む、あらゆる懲戒処分が決議される運び。この度『ドリームプラン』で獲得した主演男優賞の剥奪はおろか、今後のアカデミー賞へのノミネート資格が失われる可能性すらあり得る展開となった。
アカデミー理事会員の1人は、「彼のやったことは手に負えない」という意見で満場一致だと、米The Hollywood Reporterに匿名で証言している。式典の後、ウィルが何事もなかったかのようにパーティーで踊っていた姿も「侮辱的だった」と腹を立てている。
アカデミー側は、このようにウィル糾弾、クリス擁護の論調となっている。ウィルの暴力行為は「直接目撃された方、およびテレビの視聴者の皆さまに深いショックとトラウマを与えた」と断じ、クリスに対しては「我々のステージでの出来事を謝罪申し上げます。あの瞬間、即座に持ち直していただき感謝いたします」と、声明文で伝えている。
ウィルがしっぺ返しを喰らっている状況だ。