ネット発の都市伝説描く『スレンダーマン』、配給会社が米ソニーより変更か ─ 宣伝戦略で意見相違、候補にAmazonやNetflixも

インターネット発の都市伝説を映像化するホラー映画『スレンダーマン(邦題未定、原題:Slender Man)』の配給権が、米ソニー・ピクチャーズから他社へ移る可能性が出てきた。米国時間2018年5月31日、Varietyなど複数メディアが報じている。
『スレンダーマン』は、異常に長い手足を持つやせ細った男、スレンダーマンの都市伝説を実写映画化するもの。米ソニー・ピクチャーズが配給権を獲得していたが、現在同社と映画製作陣の間に、マーケティング戦略について意見の不一致が起こっているのだという。ソニー・ピクチャーズは同作を低予算で売り出そうとしていたのに対し、今作の出来に自信を持つ製作陣はもっと上映館を増やし、大々的にマーケティングするよう要求。しかしソニーは同作に巨額の予算を投入する気はなく、製作陣は現在新たな配給会社を探しているのだという。NetflixやAmazonなども候補として上がっているが、現時点で新たな配給先は見つかっていないという。
内部者がVarietyに語ったところによれば、ソニー・ピクチャーズの子会社スクリーン・ジェムズ社に所属する『スレンダーマン』配給担当者はこの映画を気に入っているものの、同社幹部がソーシャルメディア上の反感を懸念しているとのこと。と言うのも2014年、架空の存在であるスレンダーマンが実在すると信じ込んだ当時12歳の少女ふたりが同級生をめった刺しにするという事件が起きているのだ(被害者は一命を取り留めている)。同作のストーリーはこの事件をもとにしたものではないようだが、加害者の父親は「悲劇を大衆化している」「被害者と加害者家族が味わってきた苦痛を広げているようなもの」と同作を批判する姿勢を見せていた。
『スレンダーマン』は2018年8月24日の米国公開を予定していた(当初5月米国公開予定だったものの、のちに変更)が、今後の状況次第では、公開スケジュールがさらに後ろ倒しされる可能性もあるだろう。またソニー・ピクチャーズは既に予告編やポスターを発表している。一部メディアは、たとえいずれかの会社が配給権を取得したとしても、ソニー・ピクチャーズへ何らかの費用を支払わなければならないだろうと伝えている。
『スレンダーマン』でメガホンを取ったのは、『ラストサマー3』(2006)のシルヴァン・ホワイト。『インデペンデンス・デイ: リサージェンス』(2016)『キスから始まるものがたり』(2018)のジョーイ・キングをはじめ、ジャズ・シンクレア、ジュリア・ゴールダニ・テルズ、アナリース・バッソ、アレックス・フィッツアランなど気鋭のキャストが集結し、『ミスティック・リバー』(2003)『アンストッパブル』(2010)などで知られる演技派俳優、ケヴィン・チャップマンも出演する。
Source: Variety