『スパイダーマン:スパイダーバース』が継承した日本アニメのDNA、監督たちが語る ─ 宮崎駿・大友克洋・今敏、そしてペニー・パーカー

第91回アカデミー賞®にて長編アニメーション賞を受賞、「スパイダーマン映画史上最高傑作」と評価される映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のブルーレイ&DVDが2019年8月7日(水)に発売・レンタル開始される。
このたび待望のソフト版リリースに先がけて、監督のボブ・ペルシケッティ&ピーター・ラムジー&ロドニー・ロスマン、そして製作総指揮を務めたクリストファー・ミラーのインタビューが到着。本作を手がけるにあたって日本製アニメから受けた影響、そして続編の展開について語られている。

『スパイダーマン:スパイダーバース』と日本産アニメの関係
多くの映画賞に輝き、世界各国で絶賛された『スパイダーマン:スパイダーバース』では、CGアニメーションと手描きの融合により、革新的なビジュアルで、誰も観たことのないスパイダーマンの世界が誕生。マーベルを代表する超人気ヒーロー、スパイダーマンの世界で描かれる成長、仲間との絆の全く新しい物語が描かれている。

アメリカのアニメやクレイアニメ、日本のアニメなどから数々の要素が取り入れられた本作について、ボブ監督は「たくさんの日本の作品からインスピレーションを受けました」と語る。特に名前が挙げられたのは、宮崎駿、大友克洋という日本屈指のアニメ監督だ。
ボブ「僕たちはみんな宮崎駿さんのファンだと思います。僕らの作品は宮崎さんにインスパイアされていて、全体的な映画のトーンやビジュアルが大きく反映されていますね。宮崎さんは“詩人”なんですよ。これまで僕が手がけてきた作品は、たくさんの要素が詰まった彼のストーリーテリングの影響を受けていると言えます。彼のDNAは本作(『スパイダーバース』)にも継承されていると思いますよ。」
ピーター「大きな影響を受けたのは大友克洋監督の『AKIRA』ですね。『AKIRA』の要素は絶対に入っているし、彼のスタイルは演出におけるまさにナチュラリズムだと思います。」
また監督たちは、『東京ゴッドファーザーズ』(2003)や『パプリカ』(2006)を発表した故・今敏をはじめ、手法の型を破り、斬新なアニメーションを生み出してきたクリエイターにも影響を受けているという。ボブは「ずいぶん以前から、日本ではあらゆる手法で斬新な映像が作られてきました。僕たちは今、まさにそこに追いつこうとしているところです」と語る。
「目指しているのは、スパイダーマンの斬新で面白いストーリーを新たな映像スタイルで見せること。参考にした芸術的なアプローチは、そのほとんどが日本で生まれたものなんです。」

『スパイダーマン:スパイダーバース』と日本の関係について早くから注目を集めたのは、学生服を着てロボットを操縦する少女ペニー・パーカーだ。ピーターいわく、ペニーのアイデアは『美少女戦士セーラームーン』など多数のマンガやアニメから影響を受けたもの。ロドニーは「いろんなキャラクターからアイデアを得て、自分たちなりのスタイルで、自分たちのペニー・パーカーを作りたかったんです」と語っている。
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