『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ニック・フューリーは「イジワルな継父」 ─ ピーター・パーカーの後戻りできない成熟を描く

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』に次ぐマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品、すなわち「ポスト・エンドゲーム第1作」となる映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』について、ジョン・ワッツ監督が物語の内容を示唆した。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でMCUへの参入を果たしたスパイダーマンは、単独映画『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)で少年からヒーローとしての成長を遂げた。しかしながら、スパイダーマンがいつまでも“新人上がり”というわけにはいかない。続編『ファー・フロム・ホーム』で、ピーターはさらなる成熟を求められることになるようだ。
米USA Todayのインタビューにて、ワッツ監督は続編の展開についてこのように語っている。
「僕には子どもの頃、どうにかして大人のように扱われたかった記憶があります。けれどもある時、突然、みんなが自分のことを大人として扱うようになる。そこでようやく、“子ども扱いされてた時の方がよかった、もう戻れないのかな”と思い始めるんです。でも、そうなってしまったら元に戻ることは許されないんですよね。」
物語のカギを握るのは、ついにスパイダーマンの前に現れるニック・フューリーだ。キャプテン・マーベルと出会い、アイアンマンを導き、アベンジャーズを結成したMCU屈指のキーパーソンが、本作ではピーターと関わりを持つことになる。しかし友人たちとのヨーロッパ旅行を満喫するつもりだったピーターにとって、フューリーは自分の夏休みを“支配する”存在にも見えるのだ……。
「フューリーは新しくやってきたイジワルな継父に近い。フューリーは(トニー・スタークのように)ピーター・パーカーの中に自分自身の姿を見たりはしません。フューリーは、ピーターを自分が求めている有用な人材として捉えているんです。ピーターの方は高校生活の問題で頭がいっぱいなんですけどね。」
ワッツ監督は前作『スパイダーマン:ホームカミング』を、ジョン・ヒューズ監督作品『ブレックファスト・クラブ』(1985)や『フェリスはある朝突然に』(1986)にオマージュを捧げた、ある種の“王道青春映画”として作り上げた。続く『ファー・フロム・ホーム』で類似作品として取り上げているのは、1991年公開の日本未公開映画『ティーン・エージェント』だ。同作では勉強の苦手な主人公の高校生が、単位取得のために命じられたフランス旅行の途中、同姓同名のスパイと勘違いされてトラブルに巻き込まれていく。
「(本作のピーターは)ジェームズ・ボンド風のティーンエイジャー。世界にウンザリしているニック・フューリーと、ニューヨークのやる気満々なティーンエイジャーであるピーター・パーカーがヨーロッパを飛び回るなんて、とっても楽しそうでしょう? 二人を一緒にすれば、面白いことがいくつも起こるんですよ。」
なおワッツ監督によれば、前作『ホームカミング』にフューリーを登場させるというアイデアも一時は存在したそう。当時の構想でも、やはりフューリーは「イジワルな先生がわり」として描かれる予定だったのだとか。これが紆余曲折を経て、“ヒーローとしての師匠”トニー・スタークに変更されたとみられる。
そんなフューリー役を演じているサミュエル・L・ジャクソンは、2019年4月19日(米国時間)の時点で『ファー・フロム・ホーム』の追加撮影・再撮影に参加している。『エンドゲーム』が迫っているということは、『ファー・フロム・ホーム』の完成・公開も刻一刻と近づいてきているということなのだ…!
映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は2019年夏全国ロードショー。『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)全国ロードショー。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式サイト:http://www.spiderman-movie.jp/
『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html
Source: USA Today