『スパイダーマン:ホームカミング』ラストシーン裏話 ― マーベル社長の「長年の夢」叶う!続編で起こる変化は

映画『スパイダーマン:ホームカミング』は、“サプライズの連続”と謳われているだけあって仕掛けのつるべ打ち、ファーストカットからマーベル・シネマティック・ユニバース作品恒例のポスト・クレジット・シーンにいたるまで見どころが満載だ。ストーリーの内容はもちろんのこと、今後の伏線や小ネタの数々まで見落とし厳禁の仕上がりである。
なかでも15歳の“新人ヒーロー”、ピーター・パーカーの勢いよろしくフルスピードで駆け抜けた本編を締めくくるラストシーンはとりわけ印象的だろう。観客が目を疑う間もなくエンド・クレジットに突入するわけだが、実はこのラストシーンにはマーベル・スタジオ社長の思いや脚本家チームの狙いが周到に織り込まれていたという……。
この記事には、映画『スパイダーマン:ホームカミング』のネタバレが含まれています。

『ホームカミング』でマーベル社長の悲願叶う
本作『スパイダーマン:ホームカミング』のラスト、バルチャーを無事に倒したピーターはトニー・スタークに招かれてアベンジャーズ入りを提案される。そこには新たなスーツも用意されていたが、ピーターは誘いを断ってクイーンズの我が家に戻るのだった。すると、寝室のベッドの上にはトニーからのスーツが届いていた。ピーターがさっそく試着してみると、その背後にはなんとメイおばさんが立っていて……。
本編は“What’s the fu…”という、ディズニー/マーベル作品らしからぬ一言をメイおばさんが言い切らぬまま終幕する。
このラストシーンには、ピーターとメイおばさんの関係性が今後大きく変わる可能性が秘められている。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、こうした展開を長らく構想していたようだ。CinemaBlendのインタビューで、ファイギ社長はラストシーンの狙いを率直に明かしている。
「彼女(メイおばさん)が秘密を知るというのは、J・マイケル・ストラジンスキーがずいぶん前にスパイディを書いていた時にやった展開なんです[編集部注:2002年1月刊行、“The Amazing Spider-Man Vol.2” #37]。ランドリーかどこかで(二人が)一緒に座っている場面があったと思います。
確か『スパイダーマン2』(2004)の時にも、僕はその展開を覚えていて、“これをいつかやるべきだ、いつかやるべきなんだ”って言っていました。そしてとても運のいいことに、まだ(映画では)描かれていなかった。(ラストシーンの内容は)いつも計画の一部にあったことなんです。」
こうファイギ社長が述べるように、『スパイダーマン2』にもメイおばさんがピーターの正体を悟っていることが示唆される場面が存在する。しかし『ホームカミング』のラストシーンはそれ以上に直接的な表現であり、またファイギ社長にとっては「念願の展開を実現する」という以上の意味がこめられたものだったようだ。
「(ラストシーンは)トニー・スタークに“私がアイアンマンだ”って言わせたのと非常によく似ているんです。つまり、それが次回作で何を意味するのかはわからないんですが…何かユニークなことをやらざるを得なくなるでしょう。(『アイアンマン』の)当時、MCUでは“シークレット・アイデンティティ”ものをやりたくはありませんでした。それは今も同じです。ダイナミックなことが作品を新鮮に、そしてユニークにしてくれるんですよ。」

一方で脚本を執筆したジョン・フランシス・デイリーは、ピーターとメイおばさんの関係性が今後どう変わっていくのかについて、こんな可能性を示唆している。
「(ラストシーンでは)この母親的な存在にも愉快なストーリーが生まれるんです。少年を守るはずの彼女は、少年が自分よりもはるかに強いことを知るんですよ。だから、きっとピーターは彼女を守ることも仕事になるでしょうね。」
2019年公開予定の続編で、ピーターとメイおばさんはどんなやり取りを繰り広げることになるのか……。いずれにせよ親しい人物に仲間が増えていくとすれば、“かつてない映画版『スパイダーマン』”へとさらに接近していくことはどうやら間違いなさそうだ。
映画『スパイダーマン:ホームカミング』は2017年8月11日より全国の映画館にて公開中。
Sources:?http://www.cinemablend.com/news/1678079/spider-mans-shocking-final-scene-why-marvel-did-what-they-did
http://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/spider-man-homecoming-vulture-twist-behind-michael-keatons-best-scene-1019557
cMarvel Studios 2017. c2017 CTMG. All Rights Reserved.