映画『ハン・ソロ』、中国版タイトルは『レンジャー・ソロ』に 、『スター・ウォーズ』の副題消える ─ 『最後のジェダイ』の不振影響か

『スター・ウォーズ』屈指の人気キャラクター、ハン・ソロの若き日々を描く単独映画『ハン・ソロ:スター・ウォーズ・ストーリー』は、中国では『レンジャー・ソロ』を意味する『游侠索罗』のタイトルになるという。本作の副題は『スター・ウォーズ・ストーリー(A Star Wars Story)』だが、そちらも消される模様だ。中国の映画情報サイト最大手Mtimeの掲載によってわかった。
中国とスター・ウォーズ
今や世界2位の映画市場となった中国は、2020年までに世界最大を目指すほどの急成長を見せており、その影響力はハリウッドにも強く及んでいる。しかし、この巨大マーケットで最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が不調。『フォースの覚醒』(2015)『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)を下回るオープニング成績に終わり、上映館のうち実に92%が公開一週で打ち切っていた。
この理由の解釈は様々だ。中国に『スター・ウォーズ』文化がさほど根付いていないから、というものや、アメリカでも大ヒットを飛ばすアクション・コメディ『ジュマンジ:ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』に観客が奪われたから、との声もある。ただし『最後のジェダイ』に限っては、作品そのものが中国人に受け入れられなかった、という点もありそうだ。
中国最大規模の映画レビューサイト豆瓣电影に寄せられたレビューとして最も「いいね」を獲得した意見は「映画全体が観客の知性を侮辱している」「この世界で頭脳を持っていたのは、おそらくダース・ベイダーだけだったようだ」と辛辣だ。この度の中国版タイトル『レンジャー・ソロ』は、中国において『スター・ウォーズ』ブランドがさほど好影響しないことを考慮した苦肉の策だろう。
本作は『ローグ・ワン』に続くスピンオフ作品第二弾となるが、しかし『ローグ・ワン』は中国でも大ヒット、6,950万ドルの興行成績を挙げている。これには香港出身のドニー・イェン、そして中国出身のチァン・ウェンといった同郷のスターの出演によるものもあろうが、一方でそのストーリーが評価された部分も大きいと見られる。中国でスター・ウォーズのファン・サイトを運営するチェン・タオ氏は、こう振り返る。
「中国のファンにとって、『ローグ・ワン』は自国の革命の歴史を考えさせてくれる内容でした。多くのキャラクターが、革命に身を捧げた共産党員のようでね。」
『スター・ウォーズ』のブランドが思うほど通用しない中国だけあって、ヒットの分かれ目はいかに作品が観客に支持されるかになると言えよう。単純明快なストーリーを好むと言われる中国の観客に、銀河のアウトロー『レンジャー・ソロ』はどう映るか。本作では若きハン・ソロを『ヘイル、シーザー!』(2016)のアルデン・エーレンライクが演じるが、中国での支持はアルデンの甘いマスクにかかっているかもしれない。何せ先のチェン氏は、こんな小話も紹介しているのである。
「(『最後のジェダイ』は)出演者があまり美形じゃないんですよね。だから中国人が最近のスター・ウォーズを観ようとしないんだと思うんです。ファンの間では、ウィル・スミスがフィンを演れば中国人も観に行くかもね、というジョークがあるんですよ。ウィル・スミスはハンサムですからね。」
『ハン・ソロ:スター・ウォーズ・ストーリー』は2018年6月29日日本公開。なお原題は、”Solo:A Star Wars Story”だ。このタイトルは、スペインでも同じように”Solo”から”Han Solo”に変更されいてる。
Source:https://movie.douban.com/subject/25900947/
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http://www.sixthtone.com/news/1001531/chinas-die-hard-star-wars-fans-respond-to-last-jedi-flop