コロナ禍で撮影のパンデミック・スリラー、米予告編が公開 ─ 「COVID-23」感染拡大でロックダウン4年間、出会えない恋人たち

新型コロナウイルスが突然変異し、ロックダウンが4年間にわたったアメリカはどうなっているのか? コロナ禍のロサンゼルスで撮影された初めての長編映画、パンデミック・スリラー『Songbird(原題)』の米国版予告編が公開された。
2024年、アメリカ。コロナ禍のロックダウンは続き、年間の死者数は840万人にも達していた。COVID-19ならぬ「COVID-23」の感染者は「Qゾーン」と呼ばれる隔離キャンプに閉じ込められ、外に出ることはできない。ウイルスの免疫を持つ主人公のニコは、希望を求め、恋人のサラと再会するために動き始めるが、ロックダウンの現実が二人の接触を阻んでいた。そんな中、サラの隣人がウイルスに感染していることが発覚し、サラは濃厚接触者と判断されてしまう。サラは感染しているのか、感染していないのか。彼女は隔離キャンプに送られてしまうのか……。ニコはサラを救うため、荒廃したロサンゼルスの街を駆けまわる。
「外出禁止令が発令されました。許可のない市民は、全員屋内にとどまらなければなりません」。サイレンが鳴り響き、上空をヘリコプターが飛び、女性のアナウンスが聞こえる。ロックダウンの213週目、ウイルスは変異し、人間の脳にもダメージを与えるようになっていた。すでに全世界の累計死者数は1億1,000万人を突破している。予告編には、軍に銃口を向けられたニコが「免疫保持者だ!」と声をあげる様子や、サラの隣人宅に“衛生部”の強制執行が入る場面などが収められている。
サラが咳き込む女性を検査したところ、検査機は異常を検出する。「武装衛兵が4時間から6時間以内に到着しますので、外出してはいけません。家を出た場合、発見次第すみやかに銃撃します」。部屋のドア越しに、サラは別れを告げるようニコに求めるが、ニコは「諦めちゃいけない」と訴えかける。「生き延びるため、やりたくないこともしなきゃいけない時もある」「人生でたった一人を救うことが僕には大事なんだ」とのセリフが続き、映像はサラ宅の玄関を訪れる男の言葉で締めくくられる。「覚えておいて。安全に、穏やかに、それから消毒を」。
出演者はニコ役に「リバーデイル」(2017-)のK・J・アパ、サラ役に『ディセンダント』シリーズのソフィア・カーソン。そのほか、裕福なカップル役にブラッドリー・ウィットフォード&デミ・ムーア、追い込まれる歌手役にアレクサンドラ・ダダリオ、障害を抱えた元軍人役にポール・ウォルター・ハウザー、ニコの上司役にクレイグ・ロビンソン、“衛生部”の指揮を執る政治家役にピーター・ストーメアという豪華キャストが揃った。撮影は2020年7月、わずか17日間で実施された。
脚本・監督は『ハングマン』(2015)のアダム・メイソン。米Entertainment Weeklyでは「恐ろしいディストピアの世界を描いていますが、一緒にいたい、けれども一緒にいられない二人の恋愛映画」だと語った。「玄関とウイルスによって隔てられた『ロミオとジュリエット』です」。プロデューサーは『トランスフォーマー』などで知られる“破壊王”マイケル・ベイが務めた。
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Sources: Variety, Entertainment Weekly