【続報】スパイダーマンのスピンオフ『ヴェノム』やっぱりMCUとは世界観を共有せず!マーベル、ソニー両社長が改めて明言
全世界のスパイダーマン・ファンは大いにやきもきさせられたことだろう。マーベル・スタジオが製作するマーベル・シネマティック・ユニバース、そしてソニー・ピクチャーズがこれから製作する「スパイダーマン」のスピンオフ作品、ふたつの映画版「スパイダーマン」がもつ世界観はどこまで共有されるのか? この並々ならぬ問題にようやく決着がつけられた。
MCUに入るの?入らないの?
今回明言された「結論」の前に、まずは事の経緯をふたたび整理しておこう。
おなじみマーベル・コミックのヒーローであるスパイダーマンは、映像化権をこれまでソニー・ピクチャーズが有していた。それゆえスパイダーマンは、過去に何度も映画版が製作されながらも、マーベル・スタジオが主導するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)には参入することができなかったのだ。しかしその後、両社の事業提携が実現。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)よりスパイダーマンはMCUへの参加を果たしている。トム・ホランド主演による“新スパイダーマン”の単独映画第1作『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年8月11日公開)は、まぎれもなくMCUの流れを汲む作品だ。

マーベル・スタジオとソニーが共同で新たな映画版「スパイダーマン」を製作している一方、ソニーはMCUとは異なる独自の世界観による「スパイダーマン」のスピンオフ作品の製作を決定。その第1弾がトム・ハーディ主演による『ヴェノム(仮題:Venom)』だ。すでにソニーは第2弾・第3弾の製作も進行しているという。
しかしファンが気にしていたのは、ヴェノムという人気キャラクターがMCUに本当に登場しないのか、またトム・ホランド扮するスパイダーマンが『ヴェノム』ほかスピンオフ作品に登場することはあるのか……という点だった。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、これを受けて「今のところ、“ヴェノム”がMCUに入るプランはない。ソニーのプロジェクトなんだ」と断言していたのである。
ところが2017年6月19日(日本時間)、ソニー・ピクチャーズのエイミー・パスカル社長が突然、MCUとソニー独自の“スピンオフ”がその世界観を共有する可能性を示唆したことが明らかになったのである。
「ふたつの映画は、ピーター・パーカーのために作られた世界の中で展開されます。それぞれ補完しあっていて、舞台は異なっていたとしても、共にひとつの小さな世界にあるの。そして、それぞれが繋がり合っているでしょうね」
もちろんこの発言には、世界中のファンが「結局どっちなの……?」という困惑を隠さなかった。うっかりパスカル社長が喋ってしまったのではないか、マーベルとソニーがまさに契約の話し合いを進めているのではないか、いやただのリップサービスだろう……さまざまな憶測が飛び交ったのである。
世界観共有問題、ついに真相へ
パスカル社長の発言が話題を呼んでから1週間が経過した6月26日(日本時間)、両社長はComicbook.comのインタビューで本件の真実を改めて語った。
まずパスカル社長は、ヴェノムをはじめとしたソニー主導のスピンオフ作品に登場するキャラクターについてこう話している。
「つまり私たちがやっているのはこういうことです。(ソニーによるスピンオフ作品の)すべてのキャラクターはマーベル・コミックブック・ユニバースの一部で、そこでは全員が互いに関係しあっている。ケヴィン(・ファイギ)はマーベル・シネマティック・ユニバースでキャラクターを生み出していますよね。(ソニーによる作品の)キャラクターは、スパイダーマンを除いて(MCUとは)分離しています。スパイディはMCUに所属していますからね」
そしてファイギ社長は、MCUの新『スパイダーマン』シリーズと『ヴェノム』がクロスオーバーする可能性を遠回しに否定したのだ。
「絶対にない、とは言いません。“スーパーマンとはクロスオーバーさせないの?”と尋ねられても、僕は“絶対にないとは言わない”と答えるでしょうね。しかし、今すぐの話ではありませんよ」
ところで、先日のパスカル社長の発言に対するファイギ社長のリアクションは“Sad Affleck”に次ぐものとして、ネット上でかなりネタにされていたのだが……ファイギ社長はその事実も知っていたようだ。
「ミーム(ネタ)になることが僕の夢だったんです」
ちなみに以下の映像は、ファンが製作した“Sad Kevin Feige”の動画である。
Sad Kevin Feige Reacts #Venom in the #MCU Spoiler pic.twitter.com/YhtWCOB0Gs
— ComicBookCast (@ComicBookCast) 2017年6月18日
トム・ホランドも現状では否定
今回、ファイギ社長とパスカル社長は“世界観の共有”についてそろってコメントしたが、先日のパスカル社長による発言後も、ファイギ社長は映画情報サイト「JoBlo」のインタビューで「今のところスパイディはMCUにいるし、(MCUにいるのは)スパイディだけ」と話していた。やはり真実は最初からひとつだったのだろうか?
ちなみにこの話題は、新ピーター・パーカー/スパイダーマン役のトム・ホランドにも飛び火している。『スパイダーマン:ホームカミング』から始まるシリーズにヴェノムが登場する可能性について、ホランドは「みんながその質問をするけど、それはないよ」と言い切ったのだ(Comicbook.com)。さらに映画情報サイト「シネマブレンド」のインタビューでは、自身が『ヴェノム』などに出演する可能性についてこうも述べている。
「僕の知るかぎり、僕はMCUにいる、MCUのスパイダーマンだ。アベンジャーズのいる世界に存在してるんだよ。『ヴェノム』は別のユニバースが舞台だから、すぐにそれらの作品に出るかどうかはわからない。でもどうかな、物事は変わるからね! 今後を見守るしかないよ」
こうして、マーベル・シネマティック・ユニバースに属する新『スパイダーマン』シリーズとソニー・ピクチャーズが主導する『ヴェノム』をはじめとしたスピンオフ・シリーズは独立して始動することが判明した。しかしMCUにスパイダーマンが参入したように、今後のことはどうなるかわからない……。今は合流する日を夢みながら、それぞれの作品を楽しみにしておこう。
映画『スパイダーマン:ホームカミング』は2017年8月11日全国ロードショー。
Sources: http://comicbook.com/2017/06/25/kevin-feige-amy-pascal-venom-mcu-spiderman-homecoming-
http://www.joblo.com/movie-news/exclusive-kevin-feige-talks-spidey-s-future-studio-collaborations-220
http://comicbook.com/2017/06/24/tom-holland-venom-marvel-cinematic-universe-/
http://www.cinemablend.com/news/1673949/will-spider-man-be-in-the-venom-movie-tom-holland-updates-us
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/Spider-Man-Venom/dp/8415343639/