『スパイダーマン』今後はソニーの手で「安泰な状態に」 ─ マーベル/ソニーの対立報道、トム・ホランドが再びコメント

2019年8月21日、ディズニー/マーベル・スタジオとソニー・ピクチャーズが『スパイダーマン』映画の契約条件をめぐって対立し、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)からスパイダーマンが離脱する可能性があると報じられた。本件についてはさまざまな情報と憶測が入り乱れ、スパイダーマン役のトム・ホランドが離脱を認めたとの(事実とは言いがたい)報道もなされたことで、ただでさえ複雑な問題であったところに、より真相のつかみづらい状況が発生した感は否めない。
第一報のあと、さまざまな関係者がコメントを発表し、米国メディアはあらゆる情報を伝えてきたが、そんな中、最も矢面に立つ形でコメントを発し続けてきたのがトム・ホランドだ。報道直後にイベント会場で取材に応じたのみならず、コンベンションイベントではステージ上からファンに向けて自らの言葉でメッセージを語ってきたのである。そしてこのたび、米GQの特集記事には、マーベル/ソニーの対立報道ののちに届けられたというトムからのコメントが掲載された。
「マーベルとの過去5年間がいかに素晴らしいものであったか、自ら進んでお伝えしたいと思います。僕は本当に楽しい時間を過ごしてきましたし、彼らには非常に多くの点で、僕の俳優としての夢を叶えていただきました。また、ソニーも非常に良くしてくださっていますし、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の世界的な成功は、彼らの支援やスキル、貢献の賜物です。スパイディのこれまでとこれからは、ソニーの手で安泰な状態にあります。僕にはただ感謝しかありません。これまでの人生で友人たちもできましたしね。」
今回のコメントは、第一報の直後からトムが述べてきたものと大枠で一致している。スパイダーマンの映像化権をソニーが保有することを踏まえて、改めてソニーへの信頼を明かしたところが大きなポイントといっていいだろう。トムが以前明かしたところによると、『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)に次ぐシリーズ第3作の企画は動き出しており、トムも含めた話し合いも始まっているとのこと。なお、かねてよりトムはスパイダーマン役を今後も演じ続けていくとの意向を示してきた。
2019年9月4日現在、MCUとスパイダーマンの今後について、マーベル・スタジオやソニー・ピクチャーズからの公式発表はなされていない。トムやマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長による声明は、すべて肝心の部分を明言しない内容となっており(「離脱を認めた」という報道が事実とは言いがたいのはそのためである)、今回のトムによるコメントも例外とは言えないだろう。「スパイディのこれまでとこれから」がソニーの手にあるという点でいえば、マーベル・スタジオとの事業提携が行われている間もまったく状況は変わらないからだ。
Source: GQ