『スパイダーバース』制作、AIを活用する予定なし ─ 「AIはあくまで既存の素材を模倣しているだけだ」

最新作『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が公開を迎えた『スパイダーバース』シリーズは、革新的なアニメ映像が魅力の一つ。前作『スパイダーマン:スパイダーバース』では、ピクサーやディズニーを破ってアカデミー賞長編アニメーション賞を獲得。一気にアニメ作品の流れを変えた。
最新作『アクロス・ザ・スパイダーバース』では、アニメへのこだわりも別次元へ。異なるユニバースごとに異なるタッチの作画で見せる。

そのため制作には多大な時間と労力を要するが、最新のAI技術を活用して効率化を図るつもりはあるだろうか。2024年公開予定の続編『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』で、制作にAIを導入する予定は。THE RIVERは、製作・脚本のフィル・ロード&クリス・ミラーに尋ねた。
するとミラーは、「この映画でAIが活用されることはない」と断言。「AIは強力なツールですが、あくまでも既存の素材をインプットして、模倣したり、派生させたりしているものだから」と説明した。
これにロードが「“既存のものありき”なんです。僕たちはそういう形で映画を作らない」と補足すると、ミラーは「僕たちは全く新しいものを作ろうとしています」と続ける。「全てのシーン、瞬間、スタイルにおいて、これまでに見たことのないものを作りたい。そういう場面でAIはあまり使えません。過去になされたことをやることはできるでしょうが、このシリーズでは新しいことをやるのが重要だからです」。
さらにロードは、こうしたAIによる製作は「観客のためにもならない。観客が求めているのはサプライズです」との考えを述べる。「再編成されたものや、機械化されたものを観たくて映画館に行くわけじゃないでしょう?この映画で僕たちがやろうとしているのは、全アーティストのクリエイティブをそれぞれしっかりと見せることですから」。
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は公開中。アーティストたちが魂を注いだ、革命的なアニメ映像を劇場の大スクリーンで堪能せよ。
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