スティーブン・スピルバーグ、「怖い映画」を撮りたい ─ キャリア初期への原点回帰を計画中

巨匠スティーブン・スピルバーグが、『激突!』(1971)での監督デビューから50年以上を経て、再び“怖い映画”への回帰を計画しているようだ。ベルリン国際映画祭で生涯功労賞(名誉金熊賞)に輝いたスピルバーグが、壇上でのスピーチで現在の心づもりをわずかに語った。
米Varietyによると、スピルバーグは『激突!』や同じく初期の代表作『ジョーズ』(1975)を手がけたことを「まるで昨日のことのよう」に感じていると話したという。
「初めて長編映画を撮った25歳の頃よりは、今のほうが映画作りのことをずっとわかっていると思います。けれど、自分に襲いかかる不安や心配、恐怖は『激突!』を撮った時から50年間変わりません。まるで時間がまったく過ぎていないかのように。幸い、監督として仕事の初日に感じる鮮やかな喜びも変わらないので、セットにいると“これ以上の居場所はないな”と思うんです。」
同時に、現在のスピルバーグは「もう十分生きただろうと言われているような」焦りを感じてもいるという。「まだ仕事は終わっていません。僕は働き続けたいし、学び続けたいし、発見し続けたい。自分自身を怖がらせたいし、時には皆さんのことも怖がらせたい……」と述べたスピルバーグは、こう付け加えたのだ。「初期のような怖い映画に戻らなければいけないと思っているんですが、それはまた別の話です」。
『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)と最新作『フェイブルマンズ』を連続的に放ったスピルバーグは、この映画祭にて、報道陣に次回作のアイデアがないことを打ち明けていた。「今年(2023年)いっぱい使って、次やることを探し出すことが最大の課題」だと。しかし、どうやらその脳内には何らかのアイデアがあるようだ。
ファミリー向け映画のイメージが強いスピルバーグだが、本人も言うように、キャリアの初期には『激突!』シリーズや『ジョーズ』以外にも『恐怖の館』(1972)などホラー/スリラー要素の強い作品が並ぶ。その後、フィルモグラフィーの性質は変化してきたが、『インディ・ジョーンズ』『ジュラシック・パーク』シリーズや数々の戦争映画などで、スピルバーグ流の恐怖演出が作品のアクセントになってきたことは事実だ。一方、近年の作品ではそうした側面があまり表に出ていないようにも思われる。今、あえて取り組む“怖い映画”はどんな仕上がりになるのだろうか?
ちなみにスピルバーグは現在、ブラッドリー・クーパーを主演に迎え、刑事アクションの名作『ブリット』(1968)の主人公フランク・ブリットを描く新作映画(タイトル未定)を準備中。題材的にはこれが“怖い映画”になりそうな気もするだけに、続報に期待したい。
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Source: Variety