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【ネタバレ】『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』ラスト解説と考察 ─ 続編への伏線が?

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
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>この記事には、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のネタバレが含まれています。

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続編『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』2024年公開予定

本作『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の続きは、2024年3月29日に米公開予定の『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』で観ることができる。とはいえ、なんと現時点で「間に合うかわからない」という状況のようだ。『スパイダーバース』シリーズは非常に手の込んだアニメ映像の制作にたっぷり時間を費やす。本作『アクロス・ザ・スパイダーバース』だって、キャラクターデザインが開始されたのが2019年11月ごろで、アニメ制作の着手は2020年6月のこと。実に3年がかりである。

現在は『アクロス』が無事公開を迎えたことで、「とりあえず一息つけるということで、ワクワクしています」と監督トリオの1人、ジャスティン・K・トンプソンは米Vatietyに話している。続編『ビヨンド』がどのような物語になるのか、もちろん監督たちは明かそうとしていない。

ただし、全ては結末が定められた上で制作されているようだ。THE RIVERのインタビューでトンプソンは、これらの続編について「もともと2部作として構想していた」こと、「初めにストーリーの全体像を固めて、それからどう映画化するかを考えた」ことを明かしている。

『スパイダーバース』シリーズ脚本・製作のクリス・ミラーは本作について、「スパイダーバース版『帝国の逆襲』」であると、その野心的なクリフハンガー・エンディングを例えている。クリフハンガーとは、主人公が崖からぶら下がった絶体絶命の状態のまま物語を終え、続く展開への期待を集める作劇手法だ。

ミラーが持ち出した『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』では、主人公ルーク・スカイウォーカーがダース・ベイダーと親子であったという衝撃の事実を告げられ、仲間のハン・ソロの身柄も奪われたところで終了。自身が最大の悪役の息子であったという事実をルークがどう受け止めるのかや、ハン・ソロは無事なのかなど、様々な疑問を解消するためには、観客は続編『エピソード6/ジェダイの帰還』の公開を待つ他なかったのだ。

どうなる?『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』に登場するかもしれない“アイツら”

おそらく『アクロス・ザ・スパイダーバース』の続編『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』では、グウェンたちがなんとかマイルスの居場所を突き止めて、あるいはマイルスが自力でアース42を脱出して、一同が合流する展開となるだろう。スパイダーマン・ノワール、スパイダーハム、ペニー・パーカーと久々に再会するマイルスが、どんな顔を見せるのかも楽しみだ。

スパイダーマン:スパイダーバース
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しかし、マイルスがアース42からそう簡単に逃れられるかは怪しい。もう1人の自分自身、そしてアーロンおじさんという“絶対に戦いたくない相手”と相対する必要がある……、というのももちろんだが、実はアーロンたちのアジトの場面で、“シニスター・シックス・シンジケート”の出現を伝える音声が確認できる点にも注意しなくてはならない。

ファンにとっては説明不要だが、シニスター・シックスとはスパイダーマンの宿敵6人で結成された最悪のヴィラン・チーム。ソニー・ピクチャーズの映画シリーズでは『アメイジング・スパイダーマン』シリーズで実写化の伏線が用意されたものの、シリーズ打ち切りに伴って幻と消えた。目下展開中の『ヴェノム』関連シリーズは、将来的にシニスター・シックス結成へと繋げてスパイダーマンとの大々的なクロスオーバー映画を作るのではないかと予想されている。

そのシニスター・シックスが、続編『ビヨンド』でひと足先に登場する可能性があるということだ。ただし、マイルスが迷い込んだアース42は、スパイダーマンが存在しない世界。そのため、この世界のシニスター・シックスは、我々が知るようなスーパーヴィランではない可能性もある。犯罪組織を意味する“シンジケート”と呼ばれているのも、そのためかもしれない。もしかしたら、一般人にとっては脅威だがスーパーヒーローが相手するほどでもないチンピラ集団が、たまたまシニスター・シックスと名乗っているだけという可能性もあるだろう。

とはいえアース42は、そんな犯罪シンジケートがウヨウヨいるほどに治安が悪いというのは事実。しかも本シリーズは、前作の伏線をきっちり回収するマメな作品だ。「前作で加速装置を使って生じたマルチバースとのポータルを開いたままにしていたことが、本作の騒動につながる」「前作で42と描かれたクモがマイルスを噛むことが、本作のマイルスの出自につながる」「前作でベーグルを投げられた男が、本作のヴィランのスポットになる」など、大小様々な連続性を大事にする作品だからこそ、続編ではシニスター・シックスにも焦点が当てられる可能性は高い。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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