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『スパイダーマン』でネッドがピーター・パーカーの正体を知ったのはDCとの差別化の狙いがあった

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
Tom Holland and Jacob Batalon in Columbia Pictures' SPIDER-MAN: ™ FAR FROM HOME.

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、ピーター・パーカーのスパイダーマンとしての正体がバレてしまうという物語。このシリーズでは、ピーターの正体は早くから親友ネッドたちに知られているというのが肝だ。ネッドは事実を知ってもなお親友として熱心に支え、それゆえに『ノー・ウェイ・ホーム』では今までに増して重要な理解者になってくれそうである。

ところでこのシリーズでは、なぜ1作目の『ホームカミング』(2017)という早い段階からネッドが正体を知る展開を用意したのだろう。これに、脚本を手掛けたジョナサン・ゴールドステインがTwitterで解説を加えてくれている。

「この話題についてはずいぶんと話し合いをしました。最終的に、DCはシークレット・アイデンティティを強調しているので、これでマーベルは差別化を図ることができると思ったのです。」

確かにDC映画では、バットマンやスーパーマン、ワンダーウーマンが苦労しながら正体を隠している。『ダークナイト』(2009)では、バットマンが正体を明かさない限り殺人を続けるといったジョーカーの脅迫も招くなど、ある意味では彼らの弱点にもなっていると言える。

一方の『スパイダーマン 』シリーズはもっと快活で、まだ若いピーターの正体を知る身近な理解者がいるからこそ、彼らはある程度のびのびと活動できている部分もある。もちろん、DCの彼らだって、アルフレッドやロイス・レインといった理解者はいる。しかしゴールドステインは、その描き方においてマーベルとDCには違いがあると考えているようだ。例えばアイアンマン/トニー・スタークや、キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースなど、マーベルのヒーローは世間に素性を明かすヒーローたちも多い。

そんなシークレット・アイデンティティが『ノー・ウェイ・ホーム』では重大なテーマになるのだから興味深い。世間が彼の正体を知ったとき、この若きヒーローはどう悩むのだろう。そして、ネッドをはじめ、MJやメイおばさんは、彼をどう支えるのだろうか。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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