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『スター・ウォーズ』スカイウォーカー・サーガをリブートすべき、『キングスマン』監督が大胆提言

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
(C) 1977 & TM Lucasfilm Ltd. Presentation licensed by Disney Concerts in association with 20th Century Fox Film Corp, Lucasfilm and Warner/Chappell Music. (C) All rights reserved.

「『スター・ウォーズ』スカイウォーカー・サーガをリブートすべき」。『キングスマン』シリーズのマシュー・ヴォーン監督による大胆な提言だ。

ポッドキャスト「Happy Sad Confused」に登場したヴォーンは、現在のハリウッドにおける映画ビジネスについて、「音楽やファッションなど、あらゆるアートフォームと同じで、資金繰りと商業が創造性より優位になっている」と指摘。「短期的に見れば儲かるけれど、長期的にはすべてが台無しになる。それが映画や音楽、アートの現状だ」と。

ヴォーンに言わせれば、『スター・ウォーズ』は、まさにそのようなプロセスで“間違ってしまった”シリーズのひとつ。現在、彼は『スター・ウォーズ』を自らリブートすることにも意欲的な姿勢を見せている。

「『スター・ウォーズ』の映画を撮ることは、自分の大好きなキャラクターで遊ぶこと。もしも(ルーカスフィルムから)“『スター・ウォーズ』をリブートしたくないですか? ルーク・スカイウォーカーやハン・ソロ、ダース・ベイダーを自分なりに描いてみませんか?”と言われたら、無謀だと思われるだろうけれど、僕は興奮しますね。楽しそうじゃないですか」。

映画界では『007』シリーズのジェームズ・ボンドが幾人もの俳優によって演じられ、マーベル映画の『スパイダーマン』シリーズもリブートが繰り返されてきた。なぜ、『スター・ウォーズ』のキャラクターに限っては「1977年以来、新たな観客向けにリブートできないほど神聖視されているのか?」というのがヴォーンの疑問だ。

『スター・ウォーズ』とはスカイウォーカー・ファミリーなのだ、というのが彼らの犯した間違いだと思います。テレビでは(シリーズ展開が)うまくいったけれど、新たな大作映画が必要ですよ。僕だったらそうします。みんな大騒ぎするでしょうけど、上等ですよ。新しい世代を求めているのなら、新しい世代のための映画を作る。うまくやれれば、古い世代も楽しんでくれます。」

Screen Rantのインタビューでも、やはりヴォーンは「『スター・ウォーズ』シリーズをリブートするなら、スカイウォーカーの物語でないと」と言い切っている。「僕がやるなら、最高のキャラクターで巨大かつ大胆なことをしたい。ルーク・スカイウォーカーとレイア姫、ハン・ソロ、チューバッカの活躍が見たいですよ。遠いいとこの話ではなく、『スター・ウォーズ』にはイベントが必要です」。

思い出されるのは、『スター・ウォーズ』続3部作の顛末だ。シリーズのファンを満足させつつ、新しい世代の物語を描こうとしたものの、大胆すぎた『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)が猛批判を受けたのち、完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)は想像以上に小ぢんまりとした物語に着地した。

ヴォーンは現在の映画業界を、「資金繰りと商業が創造性より優位」な時代を経て「振り子が戻りつつある」と見ている。「クリエイティブが常に意思決定の中心で、どうやって稼ぐかはあとから考えるべき。あらかじめ儲けようとすれば、最高のフランチャイズも潰れてしまいます」。果たして、ヴォーンの提言はルーカスフィルムに届くのか?

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Sources: Happy Sad Confused, Variety, Screen Rant

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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