『スーサイド・スクワッド』監督、ジョーカーの額の「Damaged」タトゥーを後悔

2016年のDC映画『スーサイド・スクワッド』でジャレッド・レトが演じたジョーカーは、全身にタトゥーを掘ったギャングらしい風貌で、キャラクターにユニークな新解釈をもたらした。しかしこのタトゥーは公開当時から、一部のファンの間で不評を買っていたのである。監督のデヴィッド・エアーは、タトゥーのデザインについて後悔しているとの胸中を明らかにした。
裂けた口や「HAHAHAHA」といったレタリングなど、レト版ジョーカーの身体にはいくつものタトゥーが刻まれている。中でも非難の的となったのは、額に掘られた“Damaged”の文字だ。その言葉通り「ダメージを受けた」「傷んだ」といった意味のこのタトゥーだが、公開当時のインタビューによると、自分を傷つけたバットマンに対する恨みの意思表示なのだという。
しかしファンは、「オレの額に“Damaged”と掘ってくれ」とオーダーするジョーカーを、激痛に耐えてから仕上がりを鏡で確認するジョーカーを想像したくなかった(額へのタトゥーはかなり痛むそうだ)。レト版ジョーカーのタトゥーは、やや子どもっぽいものと受け取られたのだ。ザック・スナイダーが『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)にジョーカーを再登場させた際には、このタトゥーは綺麗さっぱり除去されている。
『スーサイド・スクワッド』が公開されてから早7年が経つが、エアー監督はこのタトゥーのことで未だに咎められている。エアーがX(Twitter)でジョーカーの初期コンセプトアートを投稿すると、「“Damaged”のタトゥーのアイデアはいつ生まれたの?誰の発案なの?」というリプライがついた。すると、そこに連なって「彼は答えないだろうよ。だって、初期段階からあった、彼自身のアイデアだからね」「本当その通り。彼もスナイダーも、ずっとアイデアを修正し続けて、観客が観たものは実は意図したものではなかったと主張してばかりだよな」との投稿も加わる。これはエアーによる投稿へリプライしているのだから、わざわざ本人の目に入る可能性が高い場所でチクチクと突くような形だ。
やはりエアー本人はこれらの投稿を確認しており、自ら引用リポストで対応。「あのタトゥーの発案は100%僕だ。僕が選んだものだ」と認めながら、「元々のアイデアでは、“Damaged”ではなく“Blessed”だった。とは言え、僕はあの決断を後悔している。険悪な雰囲気と分断を作ってしまった。全てのアイデアが優れたアイデアだとは限らない」と反省のコメントを続けている。「この投稿によってネットで叩かれたら、僕は隅でひっそりしているよ」とも添えながら。
I own the tattoo idea 100%
It was my choice. Original idea is it would say “Blessed” and not “Damaged”
Now having said that — I regret that decision. It created acrimony and division.
Not every idea is a good idea.
And I’ll just be in the corner here while the internet… https://t.co/8no7KQy1Oe
— David Ayer (@DavidAyerMovies) August 16, 2023
なおエアーが“Damaged”のタトゥーについて反省を語るのは、これが初めてではない。2018年にも「あれはやり過ぎた」と投稿しているのだ。SNSでいつまでも同じ批判を重ねられ、その度に「反省している」と対応せざるを得ないのであれば、そのことが最も“Damaged”ではないか……。
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