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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』カイロ・レンの運命は変わり得たのか

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
(C) 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

『スター・ウォーズ』続3部作の主人公レイたちの最後の冒険を描いたスカイウォーカー・サーガ完結作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)。40年以上に渡って続いてきた一大銀河ストーリーに一つの終止符が打たれた。

この記事には、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のネタバレが含まれています。

復活したパルパティーン率いるファイナル・オーダーとの最終決戦では、レジスタンスのメンバーを総動員し、激戦の末に銀河帝国復活の阻止に成功したレイたち。文字通り、命をかけた死闘が繰り広げられたわけだが、勝利に必要不可欠な存在であったのが、「ファースト・オーダー」の最高指導者として君臨したカイロ・レンだ。ダークサイドに取り憑かれたカイロ・レンと同時に、ハンとレイアの息子ベン・ソロとしての顔を持つレンは、3部作を通して自身のアイデンティティに苦悶した末に後者を選び、死を迎えた。

本来の自分をようやく取り戻した直後に絶命するという、皮肉な運命を辿ったレンだが、そのままベン・ソロとして生き続けるという道はなかったのだろうか。レンの最期を看取った主人公レイ役を演じたデイジー・リドリーが、この疑問の真相を明かしている。

2021年2月上旬、米作家のサリア・ウィルソンがデイジーとのインタビューを実施。自身のTwitterにて、インタビュー内容の一部を報告したウィルソンは、『スカイウォーカーの夜明け』のエンディングシーンについて言及した。

「レイロファンの皆さんへ:デイジーは、『スカイウォーカーの夜明け』のエンディングを巡っては2つの可能性しかなかったと言っていました。キスするか、キスしないかです。ベンの死は、最初から一貫して変えられなかったものだというのです。キスシーンには、“ベン”という言葉と、彼が死んだときにレイが“ノー、ノー、ノー、ノー(No, no, no, no)”と言う言葉以外には何もセリフが無かったのです。」

“最初から一貫して変えられなかった”とデイジーが明かしたように、少なくともデイジーに脚本が手渡された段階では、すでにレンの死は決まっていたということになる。ベン・ソロとして“生き続ける”という道はなかったのだ。

もしもレンがベンとして生き続けていれば、その後の未来はどう変わっていたのだろう。レンの死の決定的な要因は、パルパティーンを打ち砕いたと同時に絶命したレイを、フォースを使って蘇生させたこと。蘇生させなければ、レンは生き続けられたことになるが、そうするとレイが死を迎えることとなり、スカイウォーカー・サーガは別の形で終わりを迎えていたはずだ。

また、レンがライトサイドを取り戻したことを象徴するものこそ、復活したレイが“ベン”と一言発したときに見せた最初で最後の笑顔だろう。レイの存在が無ければ、レンはダークサイドに堕ちたままだった可能性もある。レイの生とカイロ・レン/ベン・ソロの死は表裏一体。これこそ、スカイウォーカー・サーガ完結に必要不可欠な運命だったのかもしれない。

ちなみに、それまで“孤独”という同じ境遇を互いに感じながらも、ダークサイドとライトサイドの側で大きく対峙していたレンとレイは、最後に迷いもなく唇を重ねるが、この展開についてはシーン完成の直前まで試行錯誤を繰り返していたという。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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