J・J・エイブラムス、『スター・ウォーズ』新3部作は「特別篇」作らない ─ 「映画が完成したら、そこで終わりと考えたい」

思えば、ジョージ・ルーカスが手がけた『スター・ウォーズ』オリジナル3部作ほど、映画の公開後に作り直されてきたシリーズもないのではなかろうか。ルーカス自身が監督を務めた『新たなる希望』(1977)、脚本や製作に回った『帝国の逆襲』(1980)『ジェダイの帰還』(1983)は、1997年に「特別篇」と称して、再撮影・再編集・CG処理などを施したバージョンがリリースされたのを皮切りに、DVD・ブルーレイのリリース時、果ては「Disney+」の配信時にも変更が加えられてきたのである。
では、創造主たるルーカスに代わって『スター・ウォーズ』新3部作を作り上げたJ・J・エイブラムスに、いずれ「特別篇」を作るつもりはあるのだろうか。完結編『スカイウォーカーの夜明け』の公開を控えた今、J・Jは“作り直し”の可能性をきっぱりと否定している。
『スター・ウォーズ』新3部作、すべて「完成版」
『スター・ウォーズ』新3部作において、J・Jは『フォースの覚醒』(2015)で脚本・監督を、『最後のジェダイ』(2017)で製作総指揮を、そして『スカイウォーカーの夜明け』で再び脚本・監督を務めた。ここまでJ・J自身が携わることは本来ならば予定されていなかったわけだが、今となっては新3部作の顔とさえいっていい存在感である。
米Cinema Blendにて、J・Jは新3部作「特別篇」製作の可能性を「ないと思います」と否定。しかし、オリジナル3部作に手を入れ続けてきたルーカスの意向には敬意を示した。
「(過去の作品に)戻って、調整したり、何かを足したりしたいという人のことは尊敬します。気持ちは分かりますしね。だけど、プロジェクトに対する僕の考え方とは違うんです。僕自身は、作品が完成したら、そこで終わりだと考えたいから。もしかすると20年後は考え方が変わっているかもしれませんけど、その想像はできません。」
ここで「気持ちは分かる」と述べている通り、米Now Thisにて、J・Jは「昔の作品をやり直したいと思いますか?」と尋ねられるや「もちろん」と即答。そちらでは、また別の切り口から“作品の完成”に対する考え方を明かしている。
「どこかの時点で、“これで完成”と言わなければならないと思うんです。(過去の作品に)戻って、増やしたり、変えたり、あれこれ調整したり、ということには関心がない。作品に対する作業を続けるアーティストの情熱はリスペクトしていますし、理解しないわけではありません。だけど、僕はしょっちゅう、“ああ、これができてたらなあ”とか、“ああしていたらなあ”って思うんです。そういうことがたくさんあるんですよ。将来的に(作品を)作り直そうという気持ちになるかは分かりませんが、そうなったらとんでもないでしょうね。二度と出られないウサギの穴ですよ。」
ちなみにJ・Jは、すでにIGNの取材にて、『フォースの覚醒』について「第3幕でハン・ソロが死んだ後、チューイがレイアのそばを通りすぎないようにすれば良かった」と明かしている。「もっとうまくできたな…ということは、つねに、あちこちにあります。だけど、それも学びのひとつだと思いますから」。
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)日米同時公開。
Source: Cinema Blend, NowThis, ComicBook.com, IGN