『TENET テネット』海外初動5,300万ドル、予想を軽々超える大ヒット ─ IMAXは『ダンケルク』『インターステラー』超え

クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』が、2020年8月26日(現地時間)より世界順次公開となった。8月30日(米国時間)、ワーナー・ブラザースは海外興行収入のオープニング記録を発表。事前の予想を大幅に上回る、5,300万ドルという成績を収めたことがわかった。
新型コロナウイルスの影響下からの、映画業界の“復活”を象徴すると期待されていた『TENET テネット』は、世界41市場にて待望の劇場公開を迎えている。数字の内訳として特に優れた成績を示したのは、イギリスの710万ドル、フランスの670万ドル、韓国の510万ドル、ドイツの420万ドルだ。事前予測では2,500万~3,000ドル、最高でも4,000万ドル程度とみられていただけに、5,300万ドルという結果はスタジオにとってもサプライズとなった。
特筆すべきは、『TENET テネット』がオランダやウクライナ、ハンガリーなど、9つの市場でノーラン作品史上最高のオープニング記録を樹立したことだ。サウジアラビアでは147万ドルを記録し、国内で公開されたハリウッド映画としては史上最高の記録となった。さらにノーランがこだわったIMAX上映をはじめ、特別なフォーマットでの売上が、全体の4分の1を超えていることにも注目だ。IMAX上映のオープニング記録は500万ドルを突破、『ダンケルク』(2017)『インターステラー』(2014)をしのぐ成績となった。
ワーナー・ブラザースのトビー・エメリック会長は、この成績を受けて「海外にて素晴らしい滑り出しとなり、これほどうれしいことはありません」との声明を発表している。「クリストファー・ノーランは、大スクリーンでの観賞が必要な、イベントというべき映画を再び届けてくれました。世界中の観客が『TENET テネット』を観られるようになっていることに感激しています」。
世界中の映画館では、ただいま感染防止のために厳重な対策が採られている。エメリック会長は、劇場側に対しても「安全への絶え間ない努力に感謝します」と記し、未曾有の状況下での劇場公開にあたり、世界的に、長期にわたる上映を見据えていることを再度強調した。
ハリウッドの大作映画を再び映画館で観たい、劇場に足を運びたいという大きな欲求が映画ファンや観客の間にあることを、『TENET テネット』のオープニング記録は証明しはじめている。今後、本作は9月3日にアメリカとロシアで、9月4日に中国で公開予定(いずれも現地時間)。拡大公開での大ヒット、長期上映での息の長い人気、ノーラン作品ならではのリピーター続出など、さらなる可能性も期待される一作とあって、今後の展開にも注目だ。
映画『TENET テネット』は2020年9月18日(金)日本公開。
Source: Variety