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『TENET テネット』主人公「名もなき男」の本名、ノーラン&主演俳優はどう呼んでいた?

TENET テネット
© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』の主人公は“名もなき男”。ノーランによる脚本上の役名も「主人公(The Protagonist)」、すなわち名前自体が作品のカギだ。秘密主義を徹底する生みの親ノーラン、そして演じたジョン・デイビッド・ワシントンは、撮影現場で“名もなき男”のことをどう呼んでいたのか?

米GQにて、ジョン・デイビッドは“名もなき男”=「主人公」の描かれざるアイデンティティの一部を語っている。

この記事には、映画『TENET テネット』のネタバレと捉えうる内容が含まれています。

TENET テネット
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『TENET テネット』の主人公、“名もなき男”は多くが謎に包まれている。出自も過去も明かされないまま、優れた身体能力と知性をもつCIAエージェントとして観客の前に登場するのだ。彼の物語が──そのアイデンティティを含めて──どう転がっていくのかを観客は追いかけることになる。

「クリスは撮影現場であなたをどう呼んでいたんですか? ずっと“主人公”と呼んでました?」と尋ねられ、ジョン・デイビッドは「ノー」と答えた。「彼はいつでも“ジョン・デイビッド”と呼んでくれました」。撮影現場では役名で呼ぶことにこだわる監督もいるというが、ノーランは俳優にあくまでも丁寧に接していたという。「いつも先生に呼び出されるようで、背筋が伸びましたね。すごいぞ、クリストファー・ノーランが僕の名前を知ってるんだって」。

その一方、ジョン・デイビッド自身は“名もなき男”を別の名前で呼んでもいたようだ。「自分だけの名前を付けたりしましたか?」との質問に、「ええ、いくつも名前がありましたから」と応じたのである。

「世界を股にかける謎の男として、彼にはいくつもの偽名、いくつもの人格があるに違いありませんよね。彼はそのつどパスポートを使い分けているから、いくつも名前があるわけです。だけど(映画で描かれる)今回の出来事でそれがどうだったのかは明かしたくない。そこはクリス(クリストファー・ノーラン)に委ねるつもりです。」

もとよりノーランの大ファンを自称し、『TENET テネット』での初タッグではノーランの才能と技術に改めて驚かされたというジョン・デイビッドは、「彼は僕にとってのヒーロー」とまで言っている。出演の決定後、プロットやキャラクターについてノーランと話し合ったというだけに、きっと本編では描かれていないディテールまで熟知しているのだろう。〈時間の逆行〉をめぐる複雑なコンセプトについてはまだ完全に理解していないというが、本編で明示されなかった謎の答えは、ノーランが口を開くまで守り抜くという信条(TENET)らしい。くれぐれもカプセルを飲み込ませないよう……。

映画『TENET テネット』は2020年9月18日(金)より全国公開中。

Source: GQ

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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