テレンス・マリック製作総指揮の新作映画、2020年ヴェネツィア国際映画祭に出品決定 ─ 『ツリー・オブ・ライフ』第二班監督が手掛ける

『ツリー・オブ・ライフ』(2011)『名もなき生涯』(2019)などで知られる巨匠テレンス・マリックが製作総指揮を務める全編英語の歴史映画『The Book of Vision(原題)』が、2020年9月開催予定のヴェネツィア国際映画祭にて初公開されることがわかった。米Varietyにて、本編映像も公開されている。
『The Book of Vision』は、女子医学生のエヴァの視点から、医者と患者の関係性の歴史を描く物語。大学院を離れて、医学の歴史をより深く学び始めた彼女は、やがて現在と18世紀にとらわれていく。本編映像は18世紀、雄大な景色が広がる湖の中を謎の黒塗り集団が歩く場面から始まる。ある少年は、魔女らしき者に手を差し伸べられて、導かれるように湖の底に沈んでいく。そこに一人の女性が叫びながら現れる。どうすることも出来ない状況に戸惑う女性。しかし、今度は場面が現代に移り変わり、夢から覚めたかのように女性が飛び上がる。
出演者にはエヴァ役に「アウトランダー」(2014-)のロッテ・ファービーク、18世紀時代のプロイセン人の医者役・エヴァの担当医役に『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)のチャールズ・ダンス、エヴァの研究指導員役に『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』(2017)のスヴェリル・グドナソンなどが参加している。監督を務めるのは、『ツリー・オブ・ライフ』でイタリアの第二班監督を務め、ドキュメンタリー映画を複数手掛けてきたカルロ・ヒンターマン。また、テレンス・マリックの声掛けによって、『イングロリアス・バスターズ』(2009)撮影監督のイェルク・ヴィトマー、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)プロダクション・デザイナーのデイビット・クランクなど一流の技術者が集結している。
本作はスタンリー・キューブリック監督『バリー・リンドン』(1975)、ジム・ヘンソン監督『ラビリンス/魔王の迷宮』(1986)を足したような作品になるとのことだ。また、ヒンターマン監督は本作で描かれる“タイムリープ”について、「ビデオゲームの物語から影響を受けています」と語っている。ちなみに、本作の製作にあたり、マリックはヒンターマン監督に「心の中にあるものを映画にしなさい」と助言したようだ。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響によって様々な映画祭がオンラインなどでの開催を余儀なくされている中、現時点でヴェネツィア国際映画祭は従来通りの形態で開催する意向を示している。実現すれば、新型コロナウイルス以降、映画祭としては初のリアルイベントとなる見込みだ。
Source: Variety