「マイケル・ベイがいる現場で爆発しない日はなかった」『トランスフォーマー/最後の騎士王』イザベラ・モナー単独インタビュー

大人気シリーズ最新作『トランスフォーマー/最後の騎士王』に初登場する最年少ヒロイン、イザベラ(イジー)を演じるのは、撮影当時弱冠15歳のイザベラ・モナー。勇ましいストリート・キッドの役に体当たりで挑んだ。
この度、ジャパン・プレミアで初来日を果たしたイザベラ・モナーに単独インタビューを行った。天真爛漫のイザベラは、THE RIVERの質問のひとつひとつに、弾けるような笑顔で答えてくれた。

「ねぇ、東京って夜は星が見える?」
──始めまして!日本に来るのは初めて?
初めてです。東京に来られてすっごく嬉しい。景色もすごいし、色んな所に行きたいです。今日はインタビュー取材が終わったら出掛けるつもり。もうお寺には行ってきました。日本のファッションがすごく好きだから、今日は色々なショップを見に行くつもり。
──お寺はどこに行ったの?
メイジ…?
──明治神宮ですね。綺麗な場所ですよね。
すごく綺麗。あと、とっても平穏な場所ですね。お祈りもしてきました。
──明治神宮って、中に入った途端に街の喧騒が消えて、すごくクールな場所ですよね。なんか吹いている風も違って感じるというか。
そうそう!すごくフレッシュで、パワーを貰える場所だと思います。あんなに清潔な状態を維持しているのがすごいですよね。ねぇ、この東京って夜は星が見える?
──どうかなぁ、あまり見えないかも。
そっか…、観たかったな。
──星が好きなんだね。
大好き。趣味みたいな感じ(笑)。
赤ちゃんダイノボット「飼いたい!カワイイもん!」

──そろそろ映画の話をしましょうか。『トランスフォーマー/最後の騎士王』では、スクィークスという新しいマスコットと呼ぶべきオートボットが登場しますね。
そうなんです。(後ろのテーブルを指しながら)そこに小さなスタチューがあるんですが、撮影に使用した実物は4フィート(約122センチ)です。後ろに人がいて操作しています。
──『最後の騎士王』ではスクィークスの他にも沢山の可愛いオートボットが登場しますね。赤ちゃんダイノボットとか。
そうそう!すっごい可愛いですよね!実は赤ちゃんダイノボットはフルCGなんですが、トリケラトプスだけはグリーンの模型を用意して撮影して、後から画を付けているんですよ。だから私はグリーンのトリケラトプス模型を抱いて演技していたんです。
──トリケラトプス、ティラノサウルス、プテラノドンの中でお気に入りの赤ちゃんダイノボットは?
(少し考えて)トリケラトプスかな!カワイイし、ずんぐりしているところが好き(笑)。
──じゃぁ、ペットにできるとしたら?
飼いたーい!絶対飼いたいですね、カワイイもん!
──赤ちゃんサイズじゃなくて、中型のダイノボットはどう?
いいと思います!(中型のダイノボットは)ティーンエージャーって感じで、無茶苦茶やるし騒がしいから、面倒見るのは大変そうですけど(笑)。

──『トランスフォーマー』は、男子にとって憧れのシリーズです。『最後の騎士王』の役を獲得したとき、男友達には話しました?
はい!男友達だけでなく、女友達にもみんなに話しました。みんなすごく興奮していました。一番喜んでいたのは私の兄でした。
──兄弟にはお土産も?
プロモーション用のポスターもたくさんゲットしたから持って帰りました。あと、撮影現場に大きな銃があって、弾丸もすごく大きくて、それを集めてたんですよ。何個かバッグに入れてね。
──え、いいの?(笑)
もちろん!空港でのチェックも…、なんとかなりました(笑)。

「マイケル・ベイが現場に出ている日で、爆発しなかった日は無かった」
──マイケル・ベイは、どんな監督でしたか?厳格なイメージもありますが、実際はいかがでした?
良い人でした。厳しい人と言われることもありますね。でも、言うならば”タフ”な人でした。実際に知り合ってみると、現場ではまるで少年って感じで。とにかく良い映像を撮るために、カメラの鬼になって、泥まみれになって爆発シーンを夢中で撮影していました。とても尊敬できる人です。私にすっごく良くしてくださって…、多分、私がまだ子供だからかな?
──現場ではどれくらい爆発を見たか覚えてますか?
マイケル・ベイが現場に出ている日で、爆発しなかった日は無かった(笑)。
現場の人たちは全員、常に現場で耳栓をしてました。「オーケーみんな、耳栓を付けて!」と指示が飛んで、爆発シーンが来る、という繰り返し。爆発の回数、数えておけば良かった!(笑)
──イザベラさんも撮影中は耳栓を?
そうそう。肌色の耳栓で、小さくねじって耳の中に入れるからカメラには映りません。時々、奥に詰めすぎて抜けなくなることがあって大変でした(笑)。
──メイキング映像を拝見したんですが、本物の爆発の中をマーク・ウォールバーグと一緒に疾走しているシーンはヤバかったですね(笑)。爆発が凄すぎて、アレはもう素でビビってたでしょ?(笑)
もう、めちゃくちゃ心配で怖かった!あんな大きな爆発なんて経験したことないもん。マイケル・ベイは安全面を徹底的に考慮していて、常に自分も現場に降りて安全チェックを行っていたから安心でしたけど…。アクションの直前、マーク・ウォールバーグが私を見て「よっしゃぁ!頑張ろうな!」って!(爆笑)でも、こっちは怖いんだってば!(笑)
で、カメラが回って、マークと走って、所定の印部分を走り抜けた瞬間にドッカーン!でも私の前にマークが先に走り抜けているから、本当にギリギリで(笑)。怖かった…。たぶん私のママは毎日心臓が止まったと思う。
アンソニー・ホプキンズとの初対面「緊張で何も喋れなかった」
──(笑)アンソニー・ホプキンスとの共演はどうでした?Instagramでもアンソニーと遊んでましたね。
アンソニーはすごく優しくて、面白い人でした。絵も描いていて、アーティストでもあります。彼のInstagramも大好き。
──アンソニーと初めて会ったときはどんな感じでした?
あれはウェールズの現場でした。映画の終盤のシーンの撮影で、彼がそこに立っていて…。事前に良い人だって聞いてはいたけど、お会いする前はすごく緊張しました。写真で見るアンソニーっていつもシリアスなイメージだったから…。
初対面の挨拶は、マイケル・ベイに仲介してもらいました。「この子がシリーズ史上最年少の女優です、すごく才能があって…」って、盛っていただいて。アンソニー・ホプキンスが私を見つめて、私はもう緊張でただただ笑うだけで、何も言えませんでした。そしたら、アンソニーのほうからすぐに握手してくれて、ハグしてくれたんです。アンソニーの優しさに包み込まれるような感覚でした。人生最高のグリーディングだったと思います(笑)。
──ヴィヴィアン役のローラ・ハドックとは?
ローラと一緒に仕事ができて最高でした。彼女は大人ですし、旦那さんもいて子供もいて、人生経験豊富で私よりもずっと賢い(笑)。そうやって常に彼女のような見上げられる存在がいることは素晴らしかったです。私もローラみたいなカッコいい女性になりたい。
現場には毎日500人くらいの男性スタッフがいるから、その中で女性の共演者と仲良くできるのは良かった(笑)。彼女は私より高いヒールを履いて走り回ってましたからね。男性にはこの辛さがわからないと思うけど…。
そう言えば、この前インタビューを受けていて、脚がパンパンだったからヒールを脱いだんですよ。そしたらインタビュワーが「靴履いてもらえるかな?」って!ヒール履いて走った後に同じこと言える?あなたも5時間ヒール履いてからお話しましょって(笑)。もちろんそんなことは言わずに礼儀正しくしていましたけど、実は心の中ではそんなことを考えていました(笑)。
──今回のジャパン・ツアーはローラ・ハドックと一緒ですね。
最高です。ローラはいつ見てもヘアもメイクもファッションも決まってて、側にいるだけで刺激を受けますし、影響されます。歩く姿もまるでモデルで、カッコいいですよね!
──東京に来てローラと出かけた?
出かけました!一緒にすごく良いレストランに連れていってもらいました。ツアーも楽しいけど、撮影中もカメラが回ってない間によくローラとふざけあってましたよ。
玄田哲章さんはSWAG
──昨日のジャパン・プレミアはどうでした?
良かったです!ここでも私とローラはふざけあってました(笑)。オプティマス・プライムの声優を30年以上続けられている声優さん(玄田哲章さん)にもご登場いただけて、本当に光栄でした。彼はレジェンドなのに、すごく気さくな方で、ヘアスタイルもエルヴィス・プレスリー並にキマってた。すごくサイコー(SWAG)でカッコいい方でした!私のドレスはちょっとキメすぎだったかも(笑)。

(C) 2017 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro.
(C) 2017 Hasbro. All Rights Reserved.
──日本のファンはどんな印象でした?
超礼儀正しい!他の国のツアーだと、ファンはみんな常に叫んでるんですよ。インタビューの最中でも構わずね。でも日本では、インタビューが始まった瞬間に全員静かにしてくれたんです。何か「静かに!」みたいな合図があるのかと思うくらい。で、インタビューが終わった瞬間に、また「サインくださぁーい!」って(笑)。とにかく皆さん礼儀正しくて、良いなぁと思いました。
──『トランスフォーマー/最後の騎士王』に、ハッシュタグをひとつだけ付けるとしたら?
#EPIC
これしか無いでしょ!エピックな(叙事詩的な、雄大な、大規模な)映画ですもん。壮大な要素がたくさん登場しますから。キャラクターはみんな魅力的ですし、爆発もあるし、ロボットに車、全ての要素がこの作品をハリウッド超大作として仕上げています。
──『最後の騎士王』は本当に色々な魅力がありますからね。キング・アーサー要素もあれば、いきなり戦争映画っぽくなったりもする。
ですよね!『最後の騎士王』は、サーガの謎を明かすためにタイム・マシーンに乗り込むような映画。未来のために正しい選択をするには、過去から学ぶべきである、という教訓がある作品です。
──お気に入りのシーンは?
うーん、バンブルビーが(ネタバレのため詳細を伏せます)するシーンですね。実はそのシーンは脚本をたまたま読んでいなかったから、いち観客として映画を観て初めて知ったんですよ。感動したし、驚きでアゴが外れました。
──そういえば、スタッフに「昔のミーガン・フォックスに似てるね」と言われたらしいですね。
そう!衣装合わせの時に、「わぁ、ベイビー・ミーガン・フォックスね」って。最上級の褒め言葉じゃないですか(笑)。彼女はすごく美人ですからね。
──でも、逆にプレッシャーになりませんでした?
そうですね。プレッシャーにも感じましたが、そこは割り切って、「オーケー、私は重要な役を演じていて、彼女と同じシリーズに出ている。しっかりしなきゃ」って。
16歳、同世代のファンへのメッセージ
──シリーズ作品の性質上、前作までのヒロインと比べて見られることもあるじゃないですか。そんな中で自分のスタイルを見つけるというのは…。
まさに昨日のことなんですけど、私の友達が「トランスフォーマーに出てる女優っていつも比べられるよね」って言うんですね。「彼女は魅力的だけど、こっちの彼女はそこまでかな」とか、「彼女は演技力がね、彼女は…」みたいな。でもファンの皆さんって、老いも若きも関係なく、キャラクターとして楽しんでいて、感情移入していると思うんですよね。
それから、私がまだ子供だから比べようがないのかも。共演のローラ(ヴィヴィアン役)も同じです。彼女のキャラクターはオックスフォードの教授で凄くスマート。過去作に登場したヒロインとはキャラクター性も異なりますから、比べようがないんです。ローラが演じるヴィヴィアンはキュートで面白い所もあって、大絶賛されていますよ。
マイケル・ベイが良いなと思ったのは、私にちゃんと適切な衣装を用意してくれたこと。露出度の高いような衣装はなかったから、良かったです。

──イザベラさんは現在16歳、『最後の騎士王』撮影当時は15歳でしたね。
はい、先週16歳になりました。
──若くして既にハリウッドで自分の居場所を見つけていて…、
メイビー!そうだといいんですけど(笑)。
──プレッシャーにも打ち勝って、『トランスフォーマー/最後の騎士王』という大作に出演を果たしたあなたの活躍は、同世代の若者にとって勇気を与えるものだと思います。同世代のみんなにメッセージを貰えれば。
良いことも悪いことも色々言われることがあると思うけど、そんなの関係ない。あなたはあなたのままでいて。全力投球で挑むことだけが、唯一自分を向上させてくれるから。
シリーズ最新作『トランスフォーマー/最後の騎士王』は2017年8月4日(金)全国公開。
全米では初登場1位、IMAX ではインターナショナルで 1,670 万ドルの売り上げを収め、シリーズ史 上 No.1の快挙を記録している。IMAX 以外でのインターナショナルでは今最も勢いのある中国を筆頭に、41の国と地域で1億9,620万ドルを稼ぎ、インターナショナル興行収入でも1位を獲得。北米含む全世界の総興収 ではなんと2億6,520万ドルにも上る桁外れのアクション超大作は、アトラクション・ムービーとしても絶対にIMAXの大画面で観て欲しい。弱冠15歳のイザベラ・モナー演じるイザベラの勇姿もお見逃しなく!
(取材、撮影、文:Naoto Nakatani)
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