「毎日120%で挑んだ、だから今ここにいられる」『トランスフォーマー/最後の騎士王』ヴィヴィアン役ローラ・ハドック単独インタビュー

大人気シリーズ最新作『トランスフォーマー/最後の騎士王』で新たなヒロインとして登場するヴィヴィアン・ウェンブリー。マーク・ウォールバーグが演じる戦いに疲れた男ケイド・イェーガーと共に戦う、魅力的なオックスフォード大学教授だ。
この度、このヴィヴィアンを演じるローラ・ハドックに単独インタビューを行った。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』への出演でも知られるイングランド出身の1985年生まれ。都内のホテル・ルームに颯爽と現れたローラは、長い脚をソファの上で畳み、THE RIVERの問いにたっぷり答えてくれた。

「他と比較されるためにシリーズ作品に出演するわけじゃない」
──はじめまして。まずは、今作でローラさんが演じている役についてお聞かせください。
ヴィヴィアン・ウェンブリーというヒロインを演じています。オックスフォード大学の教授で、すごく頭が良くて、強くて、自立した女性です。あと、独身(笑)。
──ヴィヴィアンは、はじめのうちは頑固でちょっぴり意地悪なキャラクターでしたね。
そうですね、発言にフィルターがないような人物だから、演じる時は自由を感じました。私は彼女とは違って、相手を思いやりたいのですが、ヴィヴィアンはお構いなしって感じ。頭が切れる皮肉屋で、演じていて楽しかったです。

──メイキング映像を拝見しました。360度回転する巨大なセットでの撮影は、ハードそうだけどすごく楽しんでいましたね。
とても楽しかった!スタントをやるのが好きなんです。マイケル・ベイが課すチャレンジは全部挑みたくて。監督は、可能な限りは実際のアクションで撮影しようと努めていました。はじめてマイケル・ベイにお会いした時、「スタントに挑む覚悟はいいかい?」と聞かれて。もちろん「イエス」と答えておいて、それからすぐにジム通いスタート(笑)。監督の要求には全て答えられるようにしたかったから、とにかく必死で体を鍛えました。
──肉体的な準備ももちろんですが、精神的な準備はどのように?これまで、様々なヒロインがシリーズを彩ってきた人気シリーズだけあって、プレッシャーは感じましたか?
他と比較されるためにシリーズ作品に飛び込むわけではありませんよ。新しい映画で、新しいストーリーがあるんですもの。以前までの女優さんたちも美しく、素晴らしい仕事をされてきていますが、私が演じるのは違うキャラクター。やることをやるだけです。ヴィヴィアンはとても興味深いキャラクターなので、楽しんで取り組みました。
「オーディションで手応えを感じたことはないですね」
──今作のオーディションでは、テープを送って参加したそうですね。
そう、テープを送った一週間後にマイケルがロンドンに来られて、数時間、ワークショップを行ったり今作について話し合ったりしました。それから、マイケルに是非私に演じて欲しいと仰って頂いて、すごく嬉しかった。
──オーディションの後はとにかく祈る、という感じ?
はい、祈ってました(笑)。
──オーディションを終えた時って、手応えを感じるものなのですか?
いやいや、手応えを感じたことは一度も無いですね。毎回エージェントに電話して「もう一回やり直せない?」って頼むくらいです(笑)。もっとうまく出来たはずなのに、って。
──ヴィヴィアン役のオーディションには何人くらいの応募があったんでしょう?
わかりません。想像もつかないですね…。
──ローラさんは、マーベル作品に2作登場しているんですよね。1作目は『キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)で、一瞬だけの登場だった。(編注:キャプテン・アメリカにサインを求める女性)
そうそう(笑)
──で、2本目は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)で、より重要な役に(編注:メレディス・クイル役)。そして今作ではついにヒロインの役を得たわけですね。
成長しましたね。
──努力の賜物ですね。
すごく努力しましたよ。最初の頃は下積みという感じ。どんなに小さな役でも受け入れて、映画の撮影現場ってどんな雰囲気だろう、撮影技術ってどんなだろう、と勉強しに行くようなものです。あとはもう、練習、練習、練習…。そうして12年のキャリアを積み重ねてきました。
──日常への変化はありましたか?
ええ、バランスが重要だと思います。この間子供が産まれて、バランスを取るのが本当に大切だなぁと改めて思いましたね。トライ・アンド・エラーで、毎日を新たな一日として、幸せに過ごしていきたいなと。
──お子さんが大きくなったら、一緒に『トランスフォーマー』を観たいですね。
はい!一緒に観ながら、「あなたはあのお腹の中にいて、一緒に撮影現場にいたのよ」って伝えたい。「あなたはもう、オプティマス・プライムに会っているのよ」って(笑)。そんなお母さん、最高ですよね。まだまだ何年も先のことですけど。
──ローラさんの旦那さんも俳優(サム・クラフリン)なんですよね。『トランスフォーマー』への出演、ヤキモチ妬かれませんでした?(笑)
妬かれました(笑)。ある日撮影から帰宅した時、彼に「今日はどうだった?」って聞かれて、「今日はランボルギーニに乗ってディセプティコンに追われてて、カーチェイスしてきたよ、あと潜水艦にも乗ってきたよ」と伝えたら、「へー、いいねー、僕はパスタ作ってたよ」って(笑)。
──(笑)カーチェイスに潜水艦、『トランスフォーマー/最後の騎士王』は本当にいろんな要素が盛り沢山ですよね。キング・アーサーも登場して、宇宙にも飛び出しますし。ローラさんの好きなパートはどこですか?
全部好きなんですけど、アンソニー・ホプキンス演じるエドムンド・バートン卿が登場して、マーク・ウォールバーグ演じるケイド・イェーガーと初めて対面するお城の場面ですね。異なる言語を話す2つの世界がぶつかり合うんです。2人のキャラクターが化学反応を起こすようで、とても好きなシーンです。

ヴィヴィアンとケイドのロマンスは、「フフフ(笑)」
──ヴィヴィアンって、ケイド・イェーガーと恋仲になったりは…?
フフフ(笑)。そうかな?あるとしたら、次回作でね。フフフ(笑)。
『最後の騎士王』で、ヴィヴィアンの世界はケイドにひっくり返されますからね。ケイドに何を想うんでしょう…(笑)。
──ケイドも、そろそろ誰か相手を見つけるべきですよね。
そうね。ヴィヴィアンもそう。2人ともお似合いですよね。まるで、一緒に遊び回っていた少年少女が、18歳になって突然恋が芽生えるみたいで。
──ケイド役のマーク・ウォールバーグはどんな方でしたか?
素晴らしい人です。努力家で、とても優しくて、即興の能力も凄い。臨機応変、どこにでも飛び込んでいって、脚本に書かれていない演技も楽しんでやっちゃうんです。ビックリしますよ(笑)。劇中の彼のシーンには、アドリブで演じられたものも沢山あるんですよ。

──マーク・ウォールバーグとの初対面はいかがでしたか?
撮影スタート前に、LAのスタジオでリハーサルをしたんですけど「準備はできてる?これは旅だぞ」と言われました。私は「…イェア!」って(笑)。
──では、イザベラ役のイザベラ・モナーは?
もう大好き。これから彼女のキャリアがどうなっていくのかがすごく楽しみです。素晴らしい才能の持ち主ですから。イザベラは撮影当時まだ15歳でしたから、私も母親のように可愛がりました。
「アドレナリン全開で働いたから、私は今ここにいるんです」
──マイケル・ベイはどんな監督したか?
今までお仕事をご一緒した監督の中でも、最も魅力的でした。仕事のやり方がすごくユニークで、『トランスフォーマー』シリーズを心から愛している方です。彼はこの映画をファンのために作っていて、現場では常に全力で挑んでいるのがよくわかりました。
──マイケル・ベイとはどんなやりとりをしたんですか?
監督に「これから9ヶ月の撮影期間中、毎日常に110%でいてくれ、もしそれが出来ないなら、君はこの役に相応しくない」と言われました。私は、「大丈夫です。常に120%で挑みます」と。
──すごい。毎日、常に120%の状態まで高める秘訣は?
実際、常にその状態でいるのは不可能だと思います(笑)。『最後の騎士王』はアドレナリン全開の映画なので、容赦ない撮影が毎日続きました。疲労もありましたが、こんな凄い作品に出られるんだから、私もアドレナリン全開で働かなきゃって。だから今こうしてここに居れるんですよね。
──マイケル・ベイ名物、爆発シーンの撮影を初めて体験した時のことを覚えてますか?
よく覚えています。すごかった。もう毎日爆発だらけでしたよ。一回、ものすごく近い場所での爆発があって、煙も凄かった。とにかく走らなくちゃいけないんですが、煙で何も見えなくて(笑)。
──では最後に、今作『トランスフォーマー/最後の騎士王』にひとつだけハッシュタグをつけるなら?
#MASSIVE
とってもマッシヴ(大規模の、大きな、どっしりした)映画ですからね。

シリーズ最新作『トランスフォーマー/最後の騎士王』は2017年8月4日(金)全国公開。
全米では初登場1位、IMAX ではインターナショナルで 1,670 万ドルの売り上げを収め、シリーズ史 上 No.1の快挙を記録している。IMAX 以外でのインターナショナルでは今最も勢いのある中国を筆頭に、41の国と地域で1億9,620万ドルを稼ぎ、インターナショナル興行収入でも1位を獲得。北米含む全世界の総興収 ではなんと2億6,520万ドルにも上る桁外れのアクション超大作は、アトラクション・ムービーとしても絶対にIMAXの大画面で観て欲しい。ローラ・ハドック演じるヴィヴィアンの美貌も見逃せない。
(取材、撮影、文:Naoto Nakatani)
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