「スパイは社交的な人が多い」 ─ ドラマ「ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ」製作の本物元CIAスパイに訊いた

映画『SPY/スパイ』(2015)や『Mr.&Mrs.スパイ』(2016)に次ぐ、FBIも存在を知らない”S級スパイ”の任務を描くドラマ「ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ」(2013-2018)はサスペンス、アクションの詰まった作品だ。アメリカで普通の夫婦を装い任務をしていた実在のスパイをモデルとしており、その圧倒的なリアリティが評価され、第74回ゴールデン・グローブ賞では2部門ノミネート。そしてエミー賞にも6年連続ノミネートされる快挙を成し遂げた。今年2018年に開催された第70回エミー賞授賞式では主演男優賞、脚本賞を受賞している。
主人公は、普通のアメリカ人夫婦になりすましたロシア人スパイのフィリップとエリザベス。2人が潜入、暗殺、ハニートラップなどあらゆる手を駆使したスパイ・ミッションを行う姿と共に、彼らを追うFBIとの攻防戦をスリリングに描いている。
このたび、元CIAという異色の経歴を持つ本作の企画・製作総指揮ジョー・ワイズバーグと、脚本家ジョエル・フィールズにインタビュー取材を実施した。
「スパイは社交的な人が多い」 ─ 元CIAの企画・製作総指揮ジョー・ワイズバーグ
── ジョー・ワイズバーグさんは元CIA職員とのことですが、自身の経験や専門的な知識をどのように本作に活かしましたか?
CIAに在籍していたころ最も印象的だったのは、職員が自分の子供たちにどんな仕事をしているか隠し続けなければならないことでした。でもある日、本当のことを子供たちに伝えるんです。家族にCIAがいる家庭はとても興味深いと思いましたし、今まで探求したことのないTV番組の題材だと思いました。スパイ行為はとても特殊だけど、人は誰しもそれぞれ違った秘密があるという意味では、普通の家族にも共通する部分もある気もします。
── ズバリ、どんな人がスパイに向いていますか?
ほとんどのスパイはとても友好的で社交的な人が多いんですよ。人とコミュニケーションを取ることが上手な人がスパイに向いていると思います。

もしもお隣さんがスパイだったら? ─ 脚本家ジョエル・フィールズ
── 物語の構成を考える際、何を意識しましたか?
フィリップとエリザベスの考えが異なるところが面白いんです。2人とも国の為に、そして自分たちの目的のために全力を尽くす所は一緒です。でもエリザベスは、アメリカは侵略者だと感じていて、ソビエトを守るためにどんなことでもする。一方のフィリップは時間が経つにつれて、少しずつ異なる意見を持ち始め、上からの命令やスパイ活動の裏に隠された思惑に反発する姿勢を見せるようになるんです。この対立がこのドラマをより面白くさせているんだと思いますよ。
── 本作の時代設定は80年代ですが、もし現代が舞台となったらエリザベスとフイリップはどんな任務を受け、どんな活躍をしていると思いますか?
残念ながら、現在と過去で任務がそこまで異なるか分かりません。私たちが番組を始めたころ、アメリカとロシアの関係は良好でしたが、その後暗転してしまいましたしね。でもスパイの技術は飛躍的に進化したと思います。日々の技術の進化によって、スパイが使う道具にも変化がもたらされているんです。ほんの一例ですが、私たちが携帯電話を持つようになったことで、ほぼすべてのストーリーに変化が生まれました。
── もし、本作のように隣人がスパイだった場合、どうしたら良いでしょう?
もしあなたの隣人が優秀なスパイなら、まず気付くことはないでしょう。ですので、もしあなたが隣人をスパイだと思うなら、恐らくそれは間違っていると思います。でも本当に隣人がスパイだと思うなら、関係当局に知らせましょうね。
「ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ」
「ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ」は、5か月連続リリース。
- シーズン1&シーズン2&シーズン3:発売・好評レンタル中/デジタル配信中
- シーズン4:2018年11月2日(金)DVDリリース/デジタル配信中
- シーズン5:2018年12月5日(水)DVDリリース/2018年11月7日(水)デジタル配信
- ファイナル・シーズン:2019年1月9日(水)DVDリリース/2018年12月5日(水)デジタル配信
「ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ」公式サイト:http://www.foxjapan.com/americans-s1
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