DC映画『ザ・バットマン』はブルース・ウェイン/バットマンの多面性描く ― ヒントは『ジキル博士とハイド氏』
ワーナー・ブラザース&DCコミックス製作、DC映画ユニバース初のバットマン単独映画となる『ザ・バットマン(仮題)』におけるブルース・ウェイン/バットマンの描き方について、脚本・監督のマット・リーヴスが新たに語った。
米IndieWireによると、米国テレビ批評家協会(TCA)のプレス・ツアーにて、リーヴス監督はブルース・ウェイン/バットマンというキャラクターのアイデンティティについて尋ねられている。『ザ・バットマン』におけるバットマンは、ブルース・ウェインの方が本質的な部分なのか、それともバットマンの方が本質的な部分なのか?

この問いかけに対して、リーヴス監督は「難しい質問ですね」と答えたのち、とある名作小説の名前を挙げている。一人の人間に秘められた善悪の部分を別々の人格に分離するという筋立ての、ロバート・ルイス・スティーブンソンによる『ジキル博士とハイド氏』だ。
「脚本の作業をしていて、興味深いことに『ジキル博士とハイド氏』を思い出したんです。自分の中に影の部分がある、私たちはみんな多面的なものだという発想ですね。私たちにはあらゆる側面があるものです。時にはブルース(・ウェイン)という表の顔が、本当の彼自身ではなく偽りの姿かもしれない。バットマンの方が偽りの姿だという時もあるかもしれません。けれども彼の本質が現れる時には――ふだん隠されているからこそ――それは本当に純粋な、本能的な部分なんですよ。」
こう述べつつも、リーヴス監督は慎重だ。「簡単には答えられない質問ですね」と言葉を重ねつつ、監督は自身の人間観を語りつつ、ブルース・ウェイン/バットマンの魅力に言及している。
「私たち自身、とても多くの側面から全体ができているものだと思うんです。そのそれぞれが表現するものをなくすことができるのかどうか、僕にはわかりません。彼(ブルース・ウェイン/バットマン)というキャラクターの面白いところは、影の部分を照らす、非常にまぶしい光が存在すること。そういったすべてが本当に刺激的なんですよ。」
当初はベン・アフレックが脚本・監督・主演を務める予定だった『ザ・バットマン』は、アフレックが監督を降板したのち、彼によって執筆された脚本もお蔵入りとなっている。リーヴス監督による新たな脚本は、アルフレッド・ヒッチコック監督作品の影響を受けた「ノワール風探偵映画」を目指して執筆され、2018年9月中旬に初稿がスタジオ側に提出されたとみられる。
映画『ザ・バットマン(仮題)』の撮影時期・公開時期は未定。
Source: IW