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【ネタバレ】『ザ・バットマン』衝撃のラスト解説 ─ 未公開シーンや新たなオリジン、今後の再登場予定も

ザ・バットマン
© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

この記事には、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の重大なのネタバレが含まれています。

ジョーカーは今後の作品に再登場するのか?

ザ・バットマン
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

と言うことは、ジョーカーが『ザ・バットマン』の次回作でのヴィランになるということか?ややこしいことに、現時点でそういうわけではないらしい。製作陣の中で、まだそのプランは定まっていないのだ。「マーベル映画やDC映画のエンディング後の、“みなさん、これが次回作ですよ!”というおまけシーンというわけではないんです。実際、あのキャラクターが今後の映画で戻ってくるかどうかは、私にも分からない」と言う監督は、次回作の予告のためにジョーカーを挿入したのではなく、「ゴッサムの問題が解決したと思ったら大間違い。(脅威は)既にここにある」という結末のために用意したのだと改めている。

出番は僅かとは言え、ジョーカー役は役者にとってキャリアを左右しかねない重大な役。バリー・コーガンにオファーをした際も、監督は「どうなるか分からないし、今後も続投できるという保証もない」との不確定さを伝えた上で交渉したという。「今現在も同じです。(ジョーカーの今後は)はっきりと分かりません」。

あくまでも未定ではあるが、ジョーカーの次なる登場について濃厚であるのは、HBO Maxで企画中のアーカム・アサイラムを描くスピンオフドラマシリーズ。監督も「とても可能性がある。ジョーカーがこの世界に帰ってくるようなストーリーがあってもおかしくない」と認めている。

ところで勘のいい方は、「そもそもバリー・コーガンは別のキャラクター名でキャスティングされていなかったっけ?」と気づかれているはずだが、その通りである。もともとコーガンはスタンリー・メルケルという名のゴッサム市警警官役としてのキャスティングが発表されていた(このキャラクターはコミックにも登場する)。コーガンは警官の服を着て撮影まで行っていたが、これらは全てジョーカーの存在を隠すためのフェイクだった。もっとも、こうした努力も虚しく、コーガンがジョーカー役を演じるとの噂は、ファンの間ですぐに広まってしまったのだが。

「ザ・ジョーカー」の新たなオリジンとモデル

今作の“ザ・ジョーカー”、モデルの一つになっているのは1928年のサイレント映画『笑ふ男』で、コンラート・ファイトが演じたグウィンプレン。幼い頃に、政治敵によって常に笑っている顔に外科手術されてしまった男の物語だ。この作品は、そもそもコミックのジョーカー誕生にも影響を与えたとされる。

また、米IGNでは、デヴィッド・リンチの『エレファント・マン』(1980)からの影響も示唆されている。『ザ・バットマン』版のジョーカーについて監督は、「彼は先天的な病で、笑いを止めることができないんです」と説明。どうやらこれまでとはまた違うオリジンが与えられているらしい。

ジョーカーといえば、コミックでは酸のタンクに落ちて狂気に蝕まれたり、ノーランの『ダークナイト』(2008)では曖昧な出自を語る謎の存在であったり、ホアキン・フェニックス版の『ジョーカー』(2019)では無意識に笑ってしまう病を抱えた社会的弱者であったりと、様々な解釈がなされてきた。『ザ・バットマン』のジョーカーは、常に笑い続けてしまうという先天的な病を持って生まれた男という設定。子どもの頃から周囲に気味悪がられて育ったこのジョーカーは、「そうか、自分の存在はジョークなんだな」と考え、社会に対する虚無的な見方を確立し、やがて自分を「ピエロ」と呼ぶようになったという。

監督が言うように、バリー・コーガン版のジョーカーの再登場は現時点で約束されていない。しかし、ジョーカーといえば言うまでもなくコミック史上最も有名なヴィランであり、『ダークナイト』や『ジョーカー』の成功が示しているように、観客の関心も高い。果たして、パティンソン版バットマンとコーガン版ジョーカーの直接対決は実現するか。そして、彼らの過去に一体何があったのか。『ザ・バットマン』の物語は、どうやらまだ始まったばかりのようだ。

Source:Variety,IGN(1,2),Collider

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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