ベネディクト・カンバーバッチ主演のスパイスリラー、米予告 ─ 冷戦期、セールスマンが核の秘密握るソ連に潜入

ベネディクト・カンバーバッチが主演・製作総指揮を務める、冷戦期を舞台にした新作スパイ・スリラー映画『The Courier(原題)』の米国版予告編が公開された。「マーベラス・ミセス・メイゼル」(2017-)レイチェル・ブロズナハン、『もう終わりにしよう。』(2020)ジェシー・バックリーら実力派の役者たちが脇を固める。
本作は、キューバ危機において重要な役割を果たしたという、実在したイギリスのスパイであるグレビル・ウインの半生を描いた物語。電気技師としてイギリス情報機関「MI6」に配属された、控えめな性格のグレビルは、やがてソ連軍参謀本部情報総局のオレグ・ペンコフスキーと接触し、CIAがソ連の核兵器情報を突き止めることに協力するようになる……。
「仕事の電話みたいです」「だめだ。椅子に座っていると伝えといてくれ」。自宅でのやりとりから始まる予告編では、命がけのミッションを予感させる1本の電話がグレビルの元にかかってくる。見知らぬ者たちから昼食に誘われたグレビルだが、それはスパイ活動を依頼するための場であった。「スパイたちとランチしてること自体、信じられない」と、グレビルは驚いた様子を見せる。
「私はただのセールスマンだ」「だからこそKGBの監視から逃れられるんです」。強く説得されるグレビルは、突然の依頼を引き受けた模様。諜報活動のための肉体作りや仕事の遂行手順など、失敗の許されない任務を入念に確認する。
極寒の地モスクワへと降り立ったグレビルは、ソ連の諜報機関KGBへの潜入に成功。セールスマンを装いながら、任務に挑んでいく。「もし私が捕まったらどうなる?すぐに処刑されるのか?」。不安を募らせながらも、ソ連が握る秘密に迫っていくグレビル。国家の安全を背負った1人のセールスマンは、祖国、そして家族の元へ無事帰ることができるのだろうか。
冷戦期が舞台のスパイ作品といえば、カンバーバッチは『裏切りのサーカス』(2011)にイギリス秘密情報部員の役で出演。また、実在の人物でいえば『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014)でアラン・チューリング、『エジソンズ・ゲーム』(2017)でトーマス・エジソンを演じている。これまでの経験が活かされているであろうカンバーバッチの深みのある演技に注目だ。
カンバーバッチのほか出演者には、オレグ・ペンコフスキー役に『ジュピターズ・ムーン』(2017)のメラーブ・ニニッゼ、CIA工作員役に「マーベラス・ミセス・メイゼル」のレイチェル・ブロズナハン、『ジュディ 虹の彼方に』(2019)『もう終わりにしよう。』のジェシー・バックレイらが参加している。製作総指揮はカンバーバッチのほか、『メッセージ』(2016)『gifted/ギフテッド』(2017)のグレン・バスナーなどが担当。監督は『嘆きの王冠 ホロウ・クラウン』シリーズや『追想』(2017)のドミニク・クック、脚本は『ヒットマンズ・ボディガード』(2017)のトム・オコナーが務めた。一般公開に先がけて上映された2020年のサンダンス国際映画祭では、カンバーバッチの演技が高く評価されている。
映画『The Courier(原題)』は、2021年3月19日米公開予定。