『ザ・フラッシュ』ラストシーンは超極秘、試写でもカット&特殊編集 ─ 「サプライズある」と監督

DC映画『ザ・フラッシュ』のラストシーンには、いったい何が待っているというのか? 米ワーナー・ブラザースが、本作のエンディングを超極秘のまま進行していることがわかった。
米Varietyによると、『ザ・フラッシュ』のプレミア・イベントは2023年6月12日(米国時間)にロサンゼルスで開催される一度きり。日米同時公開となる6月16日(金)のわずか4日前だが、これは主演のエズラ・ミラーが不祥事のためプロモーションに参加できない事情によるものではなく、むしろ“極秘のエンディング”を守り抜くための判断だという。
主演俳優を中心とした大々的なプロモーションを実施できないかわりに、ワーナーは『ザ・フラッシュ』の試写を大量に実施し、口コミで評判を広げる戦略を取っている。2023年4月には米CinemaConで未完成版の試写が実施され、その後も北米のみならず日本を含む世界各地で試写上映が行われているが、これらはラストシーンの一部がカットされ、クレジットも流れないバージョン。米Colliderのスティーヴ・ウェインストラウブ氏も「2回観たけれど、どちらもクレジットとポストクレジットシーンがなかった」と証言している。
また先日、カリフォルニア州バーバンクにあるワーナーのスタジオでも(おそらく内部向けの)試写が行われたというが、こちらも「ラストシーンは完全な形だったものの、重要な部分は不鮮明になっていた」という特殊編集版だった。関係者によれば、ラストシーンの内容はCinemaCon以前に複数回にわたって変更されていたとのこと。エズラの不祥事を受け、ワーナーはフラッシュの今後について「複数の可能性をキープしようとしていた」というのだ。
6月12日のLAプレミアでは、ラストシーンやポストクレジットシーンを含む“完成版”が上映されるのか。それとも、もはや全体像は劇場公開までお預けとなるのか。監督のアンディ・ムスキエティは、完成版に「いくつかのサプライズがある」こと、それらは「一切のリークを避けるため」試写からカットされたことを認めている。いずれにせよ、試写に参加した観客やジャーナリストも再び映画館に足を運ばざるをえないのだから、これまた巧みな戦略ではないか。
なお、本作『ザ・フラッシュ』をもってDCユニバースは“リセット”され、今後はジェームズ・ガン&ピーター・サフラン率いるDCスタジオによる新構想・新展開がスタートする。ラストシーンのサプライズに、新生DCユニバースに繋がる要素が含まれていることも大いに考えられるのだ。
映画『ザ・フラッシュ』は2023年6月16日(金)に日米同時公開。
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