「パナマ文書」メリル・ストリープ主演、スティーブン・ソダーバーグ監督で映画化 ― ゲイリー・オールドマンら出演交渉中

2016年、全世界に激震を与えた「パナマ文書」問題が、『オーシャンズ11』シリーズや『マジック・マイク』(2012)、『ローガン・ラッキー』(2017)などのスティーブン・ソダーバーグ監督によって『ザ・ランドロマット(原題:The Laundromat)』として映画化されることがわかった。米Hollywood Reporter誌が伝えている。
「パナマ文書」とは、2016年4月にパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した機密資料のこと。文書は1970年代から作成されており、タックス・ヘイブン(租税回避地)を利用して世界の大企業や権力者、富裕層が税金逃れを行っていること、犯罪者による資金隠しが行われていることが発覚した。
膨大な文書のデータは、2015年にドイツの新聞社「南ドイツ新聞」に匿名でリークされ、その後、米国ワシントンD.C.の国際調査報道ジャーナリスト連合も同じものを入手。なお、この「パナマ文書」に掲載されている日本人の名前は700人にものぼるといわれている。
タイトルの「ランドロマット」とは、リゾートやホテルなどに設置されている共同洗濯場(コインランドリー)の意。リゾート地として愛される土地がタックス・ヘイブンとなっていること、また資金洗浄を意味する「マネー・ロンダリング(money laundering)」を踏まえたものであることは簡単に推察できるだろう。
主演を務めるのは『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』(2018)に続いて“文書流出”に挑むメリル・ストリープ。詳細は不明だが、映画全編にエモーショナルな物語を生み出す役どころだという。
そのほか、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマン、『デスペラード』(1995)や『マスク・オブ・ゾロ』(1998)などのアントニオ・バンデラスが出演交渉の初期段階にあるとのことだ。
本作はソダーバーグ監督にとって、アカデミー賞監督賞を受賞した『トラフィック』(2000)や『インフォーマント!』(2009)につづく、実話をベースにした社会派映画となる。脚本は『インフォーマント!』や『コンテイジョン』(2011)、『サイド・エフェクト』(2015)でソダーバーグ監督とタッグを組んだスコット・Z・バーンズが執筆した。なお本作の配給会社は2018年5月時点で決定しておらず、Netflixが権利獲得を検討しているという。
鋭い切れ味を見せるソダーバーグ監督による演出と、今もって時事性の高いストーリー、そして豪華スターの共演……。まぎれもなく映画ファン注目の一本といっていいだろう。今後の情報にも注目したい。
Sources: THR, Deadline
Eyecatch Image: Photo by Dick Thomas Johnson