『ショーシャンクの空に』ラストの巨木、2017年に完全伐採されていた

不朽の名作『ショーシャンクの空に』(1994)を象徴するものといえば、独房の壁に飾られたリタ・ヘイワースの大判ポスターやハンマーの隠し場所としてくり抜かれた聖書もそうだが、なんと言ってもラストに登場する巨大なオークの木だろう。劇中では刑務所で出会った“囚人”、アンディとレッドを再会の場所に導く重要な役割を担った。
米オハイオ州にあるラバー・ファーム州立公園近郊に植えられていたこの木は、『ショーシャンクの空に』公開後、「ショーシャンクの木」という名で知られるようになった。もちろん映画の聖地としても親しまれ、世界中から多くの映画ファンが、一足早く人生を取り戻した旧友を探すレッドの後を続くようにして、緩やかな傾斜のあるあの小径を辿った。しかし、この木も今は存在しない。
2016年、高さ約300メートルにも及び、推定樹齢180〜200歳だった「ショーシャンクの木」が強風に襲われて大きく倒されてしまったことが、英BBCや米CNNなど世界各国のメディアで報じられた。SNS上は亡き「ショーシャンクの木」に捧げられた哀悼の意で溢れ、世界中の映画ファンがその喪失を悼んだ。その後2017年に、木は土地の所有者によって伐採された。
「ショーシャンクの木」が伐採されてから5年、木が植えられていた場所には緑が茂っている。その姿こそもう見られないが、レガシーを伝え続ける取り組みが土地の所有者によって行われているようだ。
2019年、映画公開25周年のタイミングで地元メディアrichland sourceが所有者を直撃。なおも「ショーシャンクの木」を求めてやってくるファンの為に、伐採された木を用いてキーホルダーやボトルオープナーといった土産品を製作しているという(2019年時点)。コロナ禍が収束したいつか、自分の足で跡地を訪れる機会があったら、形を変えて今も生き続ける「ショーシャンクの木」を訪れるとしよう。
Source: richland source