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ロバート・ダウニー・Jr.が一人複数役「シンパサイザー」予告編が米公開 ─ A24×HBO製作、パク・チャヌク最新作

https://www.youtube.com/watch?v=wr7hBPhXrus

『アイアンマン』シリーズのロバート・ダウニー・Jr.出演、パク・チャヌク監督、HBO&A24共同製作のドラマシリーズ「シンパサイザー(原題:The Sympathizer(原題)」のティザー映像が米国で公開された。ダウニー・Jr.が醸し出すただならぬ雰囲気と、ストーリーの緊迫感がみなぎる映像となっている。

ベトナム系アメリカ人小説家ヴィエト・タン・ウェンによる『シンパサイザー』(ハヤカワ・ミステリ文庫)を原作とする本作は、ベトナム戦争末期を舞台に、ベトナムとフランスのミックスである北ベトナムのスパイが、南側には秘密工作員として警察に潜り込み、やがてアメリカに亡命する物語が描かれる。息もつかぬスパイものにして、ベトナム戦争の実態を風刺した傑作小説は2016年にピュリッツァー賞とエドガー賞を受賞した。

『ドクター・ドリトル』(2020)以来の俳優業、「アリー my Love」(2000-2002)以来およそ20年ぶりのテレビドラマとなるロバート・ダウニー・Jr.は、オレンジ郡の新進気鋭の下院議員、CIAエージェント、ハリウッドの映画監督など、アメリカの上位層を象徴するような役柄を一人複数役で演じる。予告編では、それぞれ個性的なルックのダウニー・Jr.を見ることができる。

予告編はスパイだった主人公(ホア・ザンデ)が「誰かを殺した?」と問われ、「自分自身の手では…誰も殺したことはないですね」と答えるシーンから始まる。「君たちの側で行進していたよ」と返されると、「本当? どっち側? 北側、それとも南側?」「僕たちみんな同じに見えますもんね、つまり僕はベトコン、スパイの可能性だってあります」と不敵にほほ笑む。一瞬気まずい空気が流れるも、「もちろん違いますよ、僕はアメリカを愛しています」と吹き出す……。

そのほか映像では、回想シーンの戦場をはじめ、主人公が経験した様々な出来事が収められている。ダウニー・Jr.は「ここはアメリカ。君のような人を歓迎します」と主人公たちを受け入れたり、「スパイの世界へようこそ」と口にしたり、また「防諜はここでは恨まれるぞ」と凄んだりと、どの役柄もミステリアスで心のうちが見えないが、主人公の人生を左右し、ストーリーの核となることが窺える。

ザンデをはじめ、出演者にはフレッド・グエン・カーン、トアン・リー、キ・ズエンなどベトナムにルーツを持つ俳優陣が登場するほか、「キリング・イヴ/Killing Eve」(2018-2022)『私ときどきレッサーパンダ』(2022)のサンドラ・オーが脇を固める。

パク・チャヌクは第1話~第3話の監督を務めるほか、ショーランナー・脚本を兼任。ダウニー・Jr.らとともに製作総指揮にも名を連ねた。第75回カンヌ国際映画祭の監督賞に輝いた『別れる決心』(2022)など、サスペンステイストと洗練された作品づくりにますます磨きがかかるチャヌクが、ダウニー・Jr.やA24、ベトナム系の俳優陣らとともに紡ぎ出す物語に期待がかかる。独特の映像美は予告編にも見て取れる通りだ。

ショーランナー・脚本・製作総指揮をチャヌクとともに担当するのは、カナダで活躍する映画監督・脚本家のドン・マッケラー。第4話の監督を『シティ・オブ・ゴッド』(2002)『ナイロビの蜂』(2005)のフェルナンド・メイレレス、第5話~第7話を『シークレット・ガーデン』(2020)のマーク・ミュンデンが務める。

ドラマ「シンパサイザー(原題:The Sympathizer)」は2024年にMaxで米国配信予定。日本を含む海外配信情報は未定。

Source: Warner Bros. Discovery, Variety

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

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