レオナルド・ディカプリオ&マーティン・スコセッシ、7度目のタッグが決定 ─ 無人島サバイバルと告発裁判の実話描く

巨匠マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオが、新作映画『The Wager(仮題)』で再びタッグを組むことがわかった。米The Hollywood Reporterが報じている。
長年の信頼関係にあるスコセッシとディカプリオは、過去に『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)『アビエイター』(2004)『ディパーテッド』(2006)『シャッター アイランド』(2009)『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)、そして公開待機中の『Killers of the Flower Moon(原題)』をともに手がけてきた。本作は実に7度目の顔合わせとなる。
報道によると、『The Wager』はノンフィクション作家デイヴィッド・グランが2023年4月に米国で刊行する同名書籍に基づく実話映画。グランは先述した『Killers of the Flower Moon』の原作を執筆した人物だから、スコセッシ&ディカプリオが熱い注目を寄せていることがうかがえる。映画化権を獲得したのは、スコセッシが複数年の契約を締結するApple。『Killers of the Flower Moon』に続き、Apple TV+作品として製作されるとみられる。
舞台は1740年代、ぼろぼろになった一艘の船がブラジルの沿岸に漂着した。乗っていたのはイギリス海軍の男たち30人で、スペインのガレオン船を追跡する任務中、南アメリカ・パタゴニア地方の無人島に遭難していたという。過酷な環境を生き抜いた彼らは英雄視されたが、その6ヶ月後、たった3人の船員を乗せた、さらにぼろぼろの船がチリ沿岸に現れた。彼らは先に到着した船の乗組員たちは“反乱兵”であると非難。両者は告発合戦に突入し、ついにイギリス海軍は無人島で起こった出来事の一部始終を明らかにすべく、特別裁判を開くことにする。そこであらわになったのは、世界で最も過酷な気候を生き延びた人々の戦いと、人間としての本質だった……。
本作ではスコセッシが監督を務め、ディカプリオが出演するほか、それぞれが製作を兼任。『Killers of the Flower Moon』でふたりとタッグを組んだダン・フリードキン&ブラッドリー・トーマス、『レヴェナント 蘇えりし者』(2015)のジェニファー・デイヴィソンが製作を務めるほか、Apple TV+作品「ブラック・バード」(2022)のリチャード・プレプラーが製作総指揮に就任した。なお、現時点で脚本家は決定していない模様。
今後、スコセッシはジョナ・ヒルを主演に迎え、ロックバンド「グレイトフル・デッド」ジェリー・ガルシアの伝記映画(タイトル未定)を手がける予定。また、ディカプリオも実在のカルト指導者ジム・ジョーンズを描く『Jim Jones(原題)』で主演・製作と務めることが報じられている。両者がこれらを先に撮影する場合、『The Wager』での再タッグはもう少し後の話になりそうだ。
ちなみにスコセッシ&ディカプリオの最新作『Killers of the Flower Moon』はポストプロダクション(撮影後作業)のまっただなかで、配信日は未定。米Deadlineによると、2022年の映画賞シーズンは見送られ、2023年のカンヌ国際映画祭を狙うなどの選択肢が検討されているという。同作にはディカプリオのほか、ロバート・デ・ニーロやジェシー・プレモンスらが出演。脚本は『Mank/マンク』(2020)などのエリック・ロスが執筆した。
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Source: The Hollywood Reporter, Deadline