『マイティ・ソー バトルロイヤル』監督、なんと劇中で1人4役を演じていた ― コーグ役からハルク代役まで

映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』の監督を務めたタイカ・ワイティティは、自身の手がけた作品の多くに俳優として出演することで知られている。代表作『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』(2014)では主人公を演じ、『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』では前半の印象的な場面で観客の注目をかっさらっていくのだ。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』でワイティティが演じたのは、惑星サカールの闘技場で出会う“岩男”コーグ役。モーション・キャプチャーと声優を兼任することで、絶妙なセリフ回しによるユーモアを自ら体現してみせたのである。
しかし実は、本編でワイティティが演じたのはコーグ役だけではなかった。モーション・キャプチャーによって自身の顔が直接映らないのをいいことに、なんとワイティティが務めたのは1人4役。その裏側を米メディアのインタビューから探ってみよう。
タイカ・ワイティティ、モーション・キャプチャーで演じすぎる
英Empireの取材にて、ワイティティは『マイティ・ソー バトルロイヤル』での役柄を明かしている。コーグ役のほかに、彼は主に2つの役柄で画面に登場していたのだ。
「頭が3つある、ハジュというエイリアンの頭のひとつを演じています。右側の頭です。それからスルト(サーター)ですね。」
スルトとは映画の冒頭から登場する、ムスペルヘイムにいる火の巨人のこと。ワイティティが動きをモーション・キャプチャーで演じ、その声は俳優・声優であるクランシー・ブラウンが務めている。ちなみにブラウンは、ワイティティが俳優として出演した『グリーン・ランタン』(2011)でパララックス役を演じていた人物だ。
なお「ハジュ」というエイリアンの名前について、Empireの原文には「Haju」と記載されている(スペルは誤っている可能性があるという)。
さらに米Colliderへ明かしたところによると、ワイティティはハルク役のマーク・ラファロが撮影を終了したあと、モーション・キャプチャーでその代役を務めたこともあったというのだ。
「マークがもう来られなくなってから、時々ハルクを演じていましたよ。スタンドイン(代役)はいたんですが、彼らは俳優ではないのでタイミングがわからない。そこで自分でやることにしたんです。」
ワイティティが「タイミングがわからない」と述べているのは、おそらく単純な演技の段取りではなく、「こうした方がおもしろくなる」という動きの間の取り方を指すものだろう。たとえば本作に散りばめられたユーモアには、絶妙な間で演じられ、また編集されたことによる効果がことごとく宿っているのである。むろんユーモア以外の部分にも……。
コーグ、スルト、ハジュ、そしてハルク。『マイティ・ソー バトルロイヤル』をもう一度観るつもりのあなたは、こっそりと1人4役を務めあげたワイティティの出番の数々にもぜひ注目してみよう。まだ観ていないというあなたには、ひとまず作品世界にどっぷりと没頭することをオススメしたい。
映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』は2017年11月3日より全国の映画館にて公開中。
Source: https://www.empireonline.com/movies/features/thor-ragnarok-12-revelations-director-taika-waititi/
http://collider.com/thor-ragnarok-taika-waititi-interview/
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore ( https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36201776766/ )