『ソー:ラブ&サンダー』ディレクターズカット版に監督は興味なし ─ 初期編集版は4時間の大ボリューム?

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ソー:ラブ&サンダー』ではかねてよりキャストから、「惑星ひとつ分」カットされたシーンがあるとされており、「クソヤバでワイルドな」4時間に渡る初期編集版が存在していたことまで明かされている。その削除された映像を織り交ぜた長尺版の公開を求むファンも少なくないが、前作に引き続き監督を務めたタイカ・ワイティティは、“ディレクターズカット版”の製作には興味がないという。
ディレクターズ・カット版とは、劇場公開版とは別に、監督自らが再編集を施したバージョンのこと。カット割りが変更されたり、未公開場面が追加されたりなど、劇場公開版とは全く異なる作品として生まれ変わることもある。そんなディレクターズ・カット版に対して、タイカ・ワイティティ監督はあまり好意的な考えを持っていなさそうだ。
NMEのインタビューにてワイティティ監督は、ファンから“ザ・ワイティティ・カット”が早くも求められているという事実を伝えられたところ、「ディレクターズ・カットについて考えていたんです。ほかの監督が手がけてきたディレクターズ・カット版を、これまで僕はたくさん観てきましたけど、どれもダメでした」と率直な意見を述べている。
「ディレクターズ・カット版は良いものではありません。コントロールされることが監督には時に必要ですから。“ディレクターズ・カット版を観たい?4時間半もあるんだ!”と、もしも僕が言ったら、それは良いものではないでしょう。きっと一時停止する必要もないぐらい、お茶休憩できるところがあるでしょうね。」
自らが全権限を持って編集していた場合、ワイティティ監督いわく、「おそらくジョークがもう少し入っていたと思います」と説明。実際に本編からカットされたシーンはいくつかあるそうだが、「シーンが削除されるのは、映画に入れるには十分なものでないからです」と付け加えている。
一方、マイティ・ソーとなってシリーズにカムバックしたナタリー・ポートマンは以前、「最終的にまったく入らなかったシーンや惑星、キャラクター、世界がありました」としながら、「(どれも)面白かったし、素晴らしかった」と証言していた。ヴィランのゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーとしてキャスティングされたクリスチャン・ベールもまた、グランドマスターとエイトリのシーンがカットされたことを過去に明かしていた。ディレクターズ・カットとまではいかずとも、何らかの形で削除された場面が世に出ることを願いたい。
『ソー:ラブ&サンダー』は公開中。
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Source:NME