『タイタニック』レオナルド・ディカプリオを出演に導いたのはポール・ラッド? ─ 『ロミオ+ジュリエット』で2人が交わした言葉とは

ジェームズ・キャメロン監督作『タイタニック』(1997)にて、ハリウッドスターとしての地位を確固たるものとした俳優レオナルド・ディカプリオ。今では貴重なジョニー・デップとの共演作『ギルバート・グレイプ』(1993)では弱冠19歳でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされる快挙を成し遂げていたディカプリオだが、いわゆるハリウッド大作への出演は『タイタニック』が初となった。
そんなディカプリオ、『タイタニック』への出演をオファーされた当初は承諾を渋っていたという。ディカプリオが、サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズでトビー・マグワイアが演じたピーター・パーカー役や、『スター・ウォーズ』シリーズでヘイデン・クリステンセンが演じたアナキン・スカイウォーカー役など、ビッグロールを何度か辞退していたことは有名な話だが、『タイタニック』でも出演を迷っていたのだ。
この驚きの事実を明かしたのは、『アントマン』シリーズの主演で知られるポール・ラッド。ディカプリオとラッドは『ロミオ+ジュリエット』(1996)で共演しており、それぞれ主人公ロミオと恋敵パリスを演じた。2019年、英トーク番組The Graham Norton Showに出演したラッドは、『ロミオ+ジュリエット』の撮影最終日を振り返り、その日にディカプリオと交わした会話を明かした。
「当時、私の父はタイタニック号の専門家で、世界中でタイタニックの話をして回っていました。大学とかにも行っていましたね。それで『ロミオ+ジュリエット』の撮影最終日のことでした。みんなでバーに行ってレオと一緒に乗り込んだ場所で、彼が“この映画のオファーを受けたんだけど、これは大作なんだ”と言ってきたんです。
彼はそれまでインディーズ映画に出演していたので、“これはスタジオ映画で、『タイタニック』なんだ”と言うんです。私は“すごいじゃん”と返して。父がよくタイタニックの話をしていたので、よく知っていましたから。彼は“どうしようかな”と言っていたんで、私は“やるべきでしょ!”と言ったのを覚えていますね。」
『ロミオ+ジュリエット』の撮影中にディカプリオが『タイタニック』のオファーを受け取ったのも偶然だが、相談相手となったラッドの父親がタイタニック関係者であったことも運命的である。この時のラッドの言葉が、ディカプリオにとって『タイタニック』出演の決め手となったのかは“ディカプリオのみぞ知る”ではあるが、司会者から「この瞬間が無かったら彼も引き受けなかったかもしれませんね」と言われたラッドは「そうですね!」と明快に返事。「だって実際に彼は引き受けましたからね」と会場を笑わせた。
ちなみに、ディカプリオ以外にジャック役の候補とされていたのが、『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)などで知られるマシュー・マコノヒー。マコノヒーはローズ役のケイト・ウィンスレットと共にスクリーンテストまで行っていたという。仮にディカプリオが出演オファーを断っていた場合、『タイタニック』公開後に巻き起こった“レオ様”旋風も無かったのだろうか。
Source: The Graham Norton Show,Team Coco