『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』チューバッカ&ポーグの共演ウラ話 ― 惑星オクトーの出会いに秘められたもの

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に登場した新クリーチャー・ポーグは、劇中でコメディリリーフとしてその役割を全うする。そのキュートな見た目で人気を博している彼らは、本編でもその魅力を活かして観客を笑わせにかかるのだ。
本作でクリーチャー・デザインを担当したニール・スカンラン氏は、米Colliderのインタビューにて、ポーグにまつわる「とあるシーン」のウラ話を明かしている。映画前半に登場するユーモラスな一場面は、一体いかなる意図で誕生したのだろうか?
この記事には、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のネタバレが含まれています。
チューバッカ&ポーグの“交流”
事前のスポット映像に収められていた、ミレニアム・ファルコンに乗ったポーグが高らかに鳴くのをチューバッカが押しのける様子は、今にして思えば『最後のジェダイ』における両者の関係性を示すには十分なものだった。シリーズでおなじみのクリーチャー、チューバッカは本作でポーグという友人を得るのである。もっとも、友人と呼ぶのが本当に適切かどうかは難しいところだが……。
ニール氏によると、『最後のジェダイ』の脚本・監督を務めたライアン・ジョンソンは、チューバッカとポーグの「種族を超えた友情が見えるような場面を欲しがっていた」という。
「そこで、ポーグの一匹は特別にデザインしました。ウーキー族でも(ポーグの)性質がわかるように、羽根や頭蓋骨に特徴をつけたんです。初めて出会った時、彼らはお互いのことがわかる。だから仲間意識や友情が生まれるなんて、考えただけで素敵ですよね。
チューイは本当に最高のキャラクターです。あらゆることにすぐさま反応する彼の、エモーショナルな部分を、初めてちょっとだけ刺激することにしました。この小さなポーグが、かつて誰にもできなかったことをやってのけるんです。チューイの性格が引き出されるなんて、今までに見たことありませんよね。」
ここでスカンラン氏が述べているのは、おそらく焼いたポーグをチューバッカが食そうとする場面だろう。串刺しにした肉を口に運ぼうとする様子をポーグたちにじっと見つめられて、とうとうチューイは肉を食べることができなくなってしまうのだ。
惑星オクトーのなかでも印象的なシーンだが、スカンラン氏はこの場面について「すごく難しかった」と振り返っている。
「ライアンにとって大切だったのは、(ポーグとチューイの)つながりをなるべく早く作ることでした。しかし(ポーグを食べることを)あまりに生々しくはできませんでしたね。その理由のひとつが、主にポーグを実物(人形)で表現したことです。人形劇みたいな、演劇的なものを(『スター・ウォーズ』の)世界に取り入れて、なじませたかったので。
あのほんの小さな場面のために、子どもたちにはすごく協力してもらいました。ちょっとマンガみたいな、『ルーニー・テューンズ』のような見せ方をしたかったんです。少しは確信をもってやれたと思いますよ。」
チューバッカとポーグの出会いを、その交流の始まりを適切に見せることが、のちのミレニアム・ファルコンでの場面にもつながっていく。共演シーンが決して多くないゆえに、そのひとつひとつを確実に、ユーモラスに描くことが大切だったのだ。こうして新旧クリーチャーの共演は、ある種のアクセントとしての効果を本作に与えたというわけである。
映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中。
Source: http://collider.com/the-last-jedi-neal-scanlan-interview/
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