【ネタバレ】「THE LAST OF US」第9話、ジョエルの決断は第3話が伏線になっていた

この記事には、「THE LAST OF US」第9話『光を探せ』のネタバレが含まれています。

第9話でついにファイアフライの元にたどり着いた、ジョエル&エリー。しかし治療薬を作るには、エリーの脳内から寄生菌の大元を摘出しなければいけないことがわかる。治療薬よりエリーの命を優先したジョエルは、マーリーン(マール・ダンドリッジ)を含むファイアフライの兵士たちを容赦なく射殺。薬で眠るエリーを抱えて脱出する。
このジョエルの決断に影響を与えた第3話とは、原作から逸脱し、ビル(ニック・オファーマン)&フランク(マレー・バートレット)の関係に焦点を当てた物語だ。ふたりの出会いや結ばれる瞬間、関係の浮き沈みなど、20年にわたるビルとフランクの深いつながりが丁寧に描かれる。最後は病に侵されたフランクが自殺を手伝ってほしいとビルに頼み、ビルも自ら命を絶つことを決断。ジョエル&エリーがビルの家に到着すると、ビルとフランクは亡くなっており、ビルからジョエル宛ての手紙が残されていた。

第3話はジョエル&エリーの登場が少ないこともあり、“本筋から離れたエピソード”という印象があった。それゆえ一部の視聴者からは、物語に大きな意味を持たない“フィラー(つなぎ)”との批判も出ている。しかしドラックマンによれば、第3話は「すべてのカギを握る」エピソード。ビル&フランクの物語がいかにジョエルの決断に影響をもたらしたか、次のように説明した。
「“あなたなしの人生などありえない”、“あなたなしの人生など理解できない”、“あなたなしの人生は無意味”という考え方は、第3話で設定されています。ビルはフランクと一緒に人生を歩まなければ、あの手紙を書かないし残さない。それに、あの手紙でジョエルに“俺やお前のような男はそのためにいる。愛する人を守るためにここにいるんだ。立ちはだかる輩には容赦するな”なんて伝えないでしょう。すべての道はこの瞬間に通じているんです。」
「だから、シーズン全体を通して最も“フィラー”じゃなかったのは、ビルとフランクの物語だったのかもしれません」と批判にもしっかり反論し、第3話の重要性を強調した。「このエピソードは、すべての出来事のカギを握っているのです」。
ちなみに、ビルの手紙に書かれた該当部分の全文は、以下の通りだ。
「お前は好きじゃなかったが、友達みたいなものだ。ほぼ、な。尊敬はしてる。だからこれを伝えておく。きっと分かるはずだ。俺は世の中が嫌いで、皆の死を喜んだ。だが1人だけ救う価値のある人間がいた。俺はその男の命を救い、守ってやった。俺やお前のような男はそのためにいる。立ちはだかる輩には容赦するな。」
読んだ当時は「テスを危険から守ってやれ」という最後の一文に表情を曇らせたジョエルだが、ビルからのメッセージは心に深く刻まれていたようだ。今のジョエルにとって「救う価値のある人間」はエリーであり、たとえ「立ちはだかる輩」がマーリーンであっても、容赦なく殺す。この決断を支えたのは、他の何ものでもない、ビルがフランクと築いた特別な関係だったのだろう。
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Source:The Last of Us Podcast,Collider,SlashFilm