映画の「予告編の予告編」ってヘン?「わかるよ、可笑しいよね」

新作映画を待ち侘びるファンにとって、予告編映像の解禁は一大事だ。YouTubeなどでは、熱心なファンが予告編初視聴の様子を伝える「リアクション動画」の存在もすっかりお馴染みになっている。
いつからか、“予告編の予告編”が登場することも珍しくなくなった。何日か後に予告編映像が初解禁されることを“予告”するもので、大抵の場合、映像の一部やテロップが15〜30秒ほどに短くまとめられている。
これは、「“映画本編の一部を用いた予告映像”の“一部を用いた、その予告映像”」であるという構造的な可笑しさがある。話題作であればあるほど、カケラのような新情報でもファンは飛びつきたいものではあるのだが。
直近では、DC映画『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題)』が、“予告編の予告編”をリリースした。「4日後に 予告編を見よう(In 4 Days See The Trailer)」とのテロップと共に、予告編に含まれているのであろう映像の断片が、30秒にまとめられたものだ。
YouTubeでは186万回再生(本記事時点)。コメント欄では、新たな映像で見られる具体的な内容というより、「作品が楽しみだ」といった書き込みで盛り上がっている。ちなみに本作を手がけたジェームズ・ワン監督は、Instagramで「予告編の予告編?」とファンにツッコまれると、「わかるよ、可笑しいよね」と反応している。
映画配給会社が予告編のパフォーマンスにこだわるのは不思議なことではない。YouTubeやSNSでの再生回数は、作品に対する期待値のバロメータとして評価される。これをアナリストが興収予測の分析材料として見ることもあり、業界や批評家、しいては観客の関心にはたらきかけるのだ。
また、予告編の再生回数が何らかの記録を更新したことが、ニュースの話題になることも。宣伝側にとって、予告編に向けて注目を集めることは至上命題なのである。さて、『アクアマン・アンド・ザ・ロストキングダム』の本予告編が公開されたら、どんな話題を作ることだろう。