クリント・イーストウッド新作映画、主演はサム・ロックウェル&『アイ,トーニャ』怪優 ─ アトランタ五輪の爆弾事件、無実の警備員描く

『運び屋』(2018)『アメリカン・スナイパー』(2014)『グラン・トリノ』(2008)などの名作を手がける、巨匠クリント・イーストウッド監督新作映画『The Ballad Of Richard Jewell(原題)』に、『スリー・ビルボード』(2017)でアカデミー賞に輝いたサム・ロックウェル、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)の怪優ポール・ウォルター・ハウザーが出演することがわかった。
1996年、アトランタ・オリンピックで発生した爆破事件を映画化する本作では、爆弾を発見した警備員のリチャード・ジュエル氏の人生が描かれる。観客を避難させるなど被害を最小限に抑えることに貢献したジュエル氏は、警察関係者から「犯人の疑いがある」との情報が流出したことで世間から犯人扱いを受けることに。のちに真犯人が逮捕されて疑いは晴れたが、社会的・精神的回復はなされないまま、ジュエル氏は事件から11年後の2007年に44歳で他界している。
米国メディアの報道によれば、ジュエル氏をポール・ウォルター・ハウザーが、ジュエル氏の弁護士をサム・ロックウェルが演じるとのこと。ジュエル氏の母親役で、『ミザリー』(1990)「アメリカン・ホラー・ストーリー」などのキャシー・ベイツも出演するという。
本作は2019年6月に撮影が開始されると報じられていたが、キャスティングの報道と前後して、すでにポール&サムは撮影もしくは事前準備に参加している模様。ポールは「クリントは1テイクしか撮らない、ってどういうこと?」とのキャプションを添え、サムとの写真をInstagramに投稿している。
ポールは『アイ,トーニャ』で、トーニャ・ハーディングの元夫の友人ショーン・エッカート役を演じて注目を集め、『ブラック・クランズマン』(2017)や「コブラ会(Cobra Kai)」シーズン2(2019)にも出演。個性的な脇役俳優としてキャリアを築いてきた人物だが、イーストウッド監督作品への主演抜擢とあって、今後もさらなる活躍が期待できそうだ。
映画の原作は米Vanity Fairで発表されたマリエ・ブレンナー氏の記事「The Ballad Of Richard Jewell」。脚本は『キャプテン・フィリップス』(2013)などのビリー・レイが執筆した。プロデューサーには、以前本作に出演予定だったジョナ・ヒル&レオナルド・ディカプリオらが名前を連ねている。
なお、本作の企画は以前20世紀フォックスのもとで進行していたが、ウォルト・ディズニー・カンパニーと20世紀フォックスの事業統合を経て、イーストウッドが長年タッグを組んでいるワーナー・ブラザースに権利が移動している。米Varietyによれば、ディズニー、フォックス、ワーナーなどの関係者が集まって議論した結果、ワーナーでの映画化が最良との判断が下されたということだ。
Source: Deadline(1, 2), Variety(1, 2), THR