『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』出演者、ディレクターズカット版の公開望む ─ 削除されたシーン「たくさんある」

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』に「J・J・カット」は存在するか。きわめて信憑性の低い、“ただの噂”をきっかけに始まったのが、J・J・エイブラムス監督が意図した編集版の公開を求める「#ReleaseTheJJCut」の動きだ。このハッシュタグはたちまちTwitterのトレンド入りを果たし、世界的に話題を呼んだのである。
そんな中、ひとりの出演者が「ディレクターズカット版」の公開を求めはじめた。レジスタンスのひとり、元歴史学者のボーモント・キン役を演じたドミニク・モナハンだ。『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のメリー役、J・Jが手がけた「LOST」(2004-2010)のチャーリー役で知られるモナハンは、米The Hollywood Reporterにて撮影を回想しながらこう述べている。
「多くの『スター・ウォーズ』ファンと同じく、僕もディレクターズカット版の登場を望みますよ。そうすれば、撮影されたシーンをもっともっと見ることができる。僕は(セットに)ずっといたわけではありませんが、僕が参加した短い時間でさえ、たくさん撮ったものが劇場公開版には入っていませんでした。ええ、すごくいっぱい撮ったんですから。」
『スカイウォーカーの夜明け』においては、撮影中に脚本が大幅に変更される、また撮影された映像がその場ですぐに編集されるなど、キャスト&スタッフ一同がタイトなスケジュールを乗りこなすような製作が行われていた。おそらく脚本の変更によって、一度撮ったシーンが使えなくなる事態も存在したことだろう。しかしモナハンの発言は、カットしなくても済んだであろう場面が、思いのほか大量カットされていることを示唆しているようにも思われる。
実際のところ、モナハンは、とある戦闘シーンにおいて登場シーンを短縮されていることを認めている。撮影現場では、ローズ・ティコ役のケリー・マリー・トラン、コニックス中尉役のビリー・ロードとともに戦場の最前線にいたというのだ。
「将来的にいつか見られたらいいなと思っているのは、戦闘のなかでコニックスが脚を負傷する場面。僕とローズ、コニックスが戦いから離脱しようとしていて、ローズは武器を持ってました。そこでローズがあれこれやってくれている間に、僕がコニックスの腕を取って、自分の肩に回すんです。全員がなるべく傷を負わずに帰れるように。」
モナハンとトランによると、この場面では大規模なセットが組まれ、撮影では大勢のキャストやスタントマンが一斉に入り乱れていたとのこと。トランは全力疾走するシーンが特に大変だったといい、「映画の中では数秒しか映りませんが、何度も何度も撮りました」と語っている。「翌日、膝にあざができていたんですよ。とにかく走り続けて、膝から崩れ落ちて、さらに撮る。そこは映画に入っていないと思うんですが」。
J・Jとともに脚本を執筆したクリス・テリオは、レイア・オーガナの登場シーンをやむなくカットしたこと、またキャリー・フィッシャーの『フォースの覚醒』(2015)未使用映像を処理する都合からローズの出番を削除したことを明かしていた。「J・Jカット」の存在はあくまで噂の域を出ないが、撮影されたものの本編に入らなかったシーン、本来意図されていたが実現しなかったシーンはいくつもあるようだ。少なくとも、出演者がディレクターズカット版の公開を求めるほどには。
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)より公開中。
Sources: The Hollywood Reporter(1, 2)