『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』編集者が過酷なスケジュール明かす ─ 映画の「ファンサービス」も認める

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、2015年に『フォースの覚醒』で新3部作を始動させたJ・J・エイブラムス監督が、その責務を全うするかのように締めくくりを担った作品だ。もっとも、本作はもともとJ・Jが手がけるはずではなかった。『ジュラシック・ワールド』(2015)のコリン・トレボロウが脚本・監督を務めるはずだったものの、ルーカスフィルムとの方向性が一致せず、トレボロウは降板となったのである。
その代わりにピンチヒッターとして登板したのがJ・Jだった。この時点で公開予定日は延期されたものの、残されていた時間は2年3ヶ月。『スター・ウォーズ』ほどの大作映画を作り上げる、すなわち脚本の執筆から撮影、CG作業まですべてを終えるには短すぎる時間だった。
このたび、ポッドキャスト「The Rough Cut」に編集担当のメリアン・ブランドンが出演し、本作の製作期間が『フォースの覚醒』よりも3ヶ月短かったことを明かした。タイトなスケジュールの中、J・Jは疲労困憊していたという。
「私たちはあらゆるものを解決すべく、ずっと懸命に取り組んでいました。(製作期間が短いことは)大変な困難で、すべてに影響を与えるんです。(撮影が)3分の1ほど終わった頃、キャシー(キャスリーン・ケネディ、ルーカスフィルム社長)が“J・Jには編集の時間をたっぷり取ってもらわないとね”と言っていたんですが、そうならないことは分かっていました。そんなスケジュールではなかったんです。彼が取り組んでいたのは普通のことじゃなかった。一日の終わりには、彼はただ疲れ切っていたんですから。」
以前から伝えられているように、こうしたスケジュールの問題を乗り越えるため、メリアンは撮影現場に常駐。つねにJ・Jやカメラから離れず、テイクの合間に撮ったばかりの映像をその場で編集するというスタイルで作業が行われた。J・Jと共同脚本のクリス・テリオは脚本を撮影中に大きく変更し、俳優陣の演技には即興が取り入れられ、映像も現場で編集されていたというのだから、並大抵のことではない。
思えば『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2014)や『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)のクリストファー・マッカリー監督は、脚本を撮影中に執筆し、編集も並行して行うという、こうした方法に近いスタイルで作品を手がけるプロフェッショナル。では、『スカイウォーカーの夜明け』での取り組みはどうだったのか……とも思われるが、J・Jもメリアンも非常に満足しており、今後の作品にも取り入れていきたいという。
ちなみにメリアンは、本作が批評家や観客の間で「ただのファンサービスにすぎない」と批判されている件にも言及。「ええ、ファンサービスですよ」とあっさり認めてみせた。「ファンにサービスしなければ、『スター・ウォーズ』の歴史に沿っていないと言われてしまうでしょう。それがすべてです」。
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)より公開中。
Sources: The Rough Cut, The Playlist