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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』パルパティーンやレイアの登場、なぜ明かされたか ─ 秘密主義のガード緩める理由、監督が語る

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

『スター・ウォーズ』を手がけるルーカスフィルムは、従来、厳しい秘密主義にもとづいて関係者に箝口令を敷いてきた。ところが、来たる完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』はやや様子が異なる。サプライズとして公開まで伏せておくこともありえたであろう、皇帝パルパティーンの復帰がすでに明らかにされているのだ。

シリーズの完結に至って、なぜ『スター・ウォーズ』は秘密主義のガードをやや緩めたのか。脚本・監督のJ・J・エイブラムスは、米UPROXXにてその理由を語っている。

「“ミステリー・ボックス”の中身について聞かれることはありますが、ミステリー・ボックスとは何かという感覚は人によって違いますよね。僕も(人とは)違うと思う。僕自身は、そういうことについて考えたことがないんですよ。それは僕の仕事じゃない。シンプルに、“すべての良い物語は、次の展開が知りたくなるものだ”とも言えますが、たいていの場合、それは何かを示唆することで行われるんですよね。」

何かが明らかになることで、観客は次の展開を知りたくなる。『スカイウォーカーの夜明け』で従来以上に多くが開示されているとすれば、それも戦略のひとつと言えるのかもしれない。もっとも、J・J自身は「まったく戦略ではありません」と否定しているのだが。

「(今回で)あるものが終わりを迎えることはみなさんご存知ですよね。だからこそ、何も明かさないようなことはしたくないんです。映画の中身にはすごく自信がありますしね。それに僕たちは――僕は――すべてを煙に巻く必要はないと考えています。(映画は)とても射程の長い物語になりました。映画全編をお伝えして台無しにしたり、何かをバラしたりはしたくないですが、どうなるんだろうという話し合いが生まれる必要はあると思います。」

J・Jは、2016年に急逝したキャリー・フィッシャー(レイア・オーガナ役)について「この映画にも出演していますし、どうやってそれを実現したかをお話しできたのはうれしいこと」と言い、また「パルパティーンも登場します」と再度明言した。もちろん、「どんな役割で、どうやって出てくるのかは言いたくない。だから無防備というわけじゃないんですよ」とも。あくまでも観客の映画体験は守りたいという姿勢は崩していない。

もちろん、ルーカスフィルムの秘密主義も健在だ。米Esquireによれば、『スカイウォーカーの夜明け』の公式なテスト上映は一度も行われておらず、J・Jも「友人や家族を相手に上映した」だけだとか。一部では、本作の出来栄えにテスト試写で苦言が呈されたとの噂も流れていたが、これはまったくの事実無根だったことになる。

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)日米同時公開

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Sources: UPROXX, Esquire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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