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『トイ・ストーリー4』で短編作品が上映されない理由、ピクサーのリアルな事情だった

トイ・ストーリー4
©2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

ディズニー/ピクサー最新作『トイ・ストーリー4』に、ピクサー作品恒例の“短編作品の同時上映”が存在しない理由について、プロデューサーのジョナス・リヴェラ氏&マーク・ニールセン氏が明かした。

ピクサーの長編映画作品で短編が併映されないのは、奇しくもシリーズ第1作『トイ・ストーリー』(1995)以来。シリーズがひとつの終わりを迎える本作に短編が用意されなかったのは、やはり構造的にも『トイ・ストーリー』シリーズを一周させるという意図か…と思いきや、ピクサー側にそんな発想はなかったようだ。英Yahoo! MOVIESにて、ニールセン氏は「実際のところ、人手の問題でした」とリアルすぎる理由を明かしている。

「(『トイ・ストーリー4』の製作中は)スタジオのメンバーが、全員、長編映画に関わらなくてはなりませんでした。いくつかの(長編)映画を完成させる必要に迫られていて、短編を作れるだけの人手がなかったんです。」

スタジオにとって『トイ・ストーリー4』の前作にあたるのは、2018年夏に公開された『インクレディブル・ファミリー』。しかしピクサーは、早くも2020年3月に新作映画『Onward(原題)』を米国公開するほか、2020年6月にも詳細不明の新作が控えている。少なく見積もっても、これら4作品は並行して製作が行われていたとみられる。2021年6月、2022年3月・6月にも作品が公開される予定とあって、これからもピクサーは過密スケジュールで製作をこなしていくことになりそうだ。

クリス・プラット&トム・ホランド主演『Onward』

「短編が大好きなんですよ」と語るのは、『ジョージとAJ』(2009)『ライリーの初デート?』(2015)で短編作品の製作総指揮を担当したリヴェラ氏だ。ピクサーの短編映像シリーズ「SparkShorts」を継続する、ピクサーによる短編映画を引き続き製作する意志を明かし、「今回は用意できなかった、というだけです」とコメントした。

これまでピクサーによる短編映画は、『Bao』(2018)や『ひな鳥の冒険』(2016)、『フォー・ザ・バーズ』(2000)、『ゲーリーじいさんのチェス』(1998)がアカデミー賞の短編アニメ映画賞を受賞してきた。今後も長編が始まる前に観客をうっかり笑わせ、うっかり泣かせてしまうような高品質な一本に期待したい。

映画『トイ・ストーリー4』は2019年7月12日(金)全国ロードショー

『トイ・ストーリー4』公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/toy4.html

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Source: Yahoo!

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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