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『トイ・ストーリー4』ボー・ピープ、なぜ再登場するのか ─ ウッディの物語深めるキーパーソン、企画初期から復活の構想あった

トイ・ストーリー4
©2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』には、かつてシリーズを彩ったキーパーソンが久々の復帰を果たす。『トイ・ストーリー』(1995)『トイ・ストーリー2』(1999)に登場したウッディのガールフレンド、ボー・ピープだ。しかし、ボーの容姿は以前とは大きく変わっている。

実に20年ぶりの登場となるボー・ピープは、なぜ今、ふたたびスクリーンに帰ってくることになったのか? ジョシュ・クーリー監督をはじめとする製作チームは、そもそも企画の初期段階からボー・ピープの再登場が構想されていたことを明かしている。

ボー・ピープとウッディの物語、さらに深まる

『トイ・ストーリー4』プロデューサーのマーク・ニールセン氏は、「(企画の)初期段階を思い出してみても、ボー・ピープの存在は常にありました」と語っている。またジョシュ・クーリー監督も、米Screen Rantの取材に対して、「執筆作業の一番最初からあったのがボー・ピープでした」と語っているのだ。

「どうやってボーを映画に再登場させるか、彼女がどこにいたのかをどう描くか、ということがアイデアの種だったんです。そして、彼女を、ウッディに広い世界を見せる存在として扱えることに気づきました。田舎でも都会でもない町から、または子ども部屋からキャラクターを引っ張り出して、外の世界を見せられると思ったんです。街を横断したり、いろんなものを見てきましたが、何もない場所にいるウッディや、自然の中にいるウッディは見たことがありませんよね。」

ComicBook.comは、ニールセン氏は本作のボーについて「ウッディとはまったく違った、新たなかたちで世界を見ている」と述べたことを伝えている。すなわち、ボーがいなくなったこと、その間どうしていたかということが、今回の物語やボー・ピープというキャラクターのキモになっているのだ。容姿が大きく変わったことは、彼女の変化をダイナミックに示すという意味で必然的な選択だったのである。

しかしプロデューサーのジョナス・リヴェラ氏いわく、初期の脚本はウッディとボー・ピープのロマンティック・コメディに近い内容だったという。あとから“ボー・ピープをきちんと掘り下げるべきだ、ウッディとの関係にも決着をつけるべきだ”という発想が生まれ、ストーリーは時間をかけて大幅に書き換えられた。4年間を費やして製作された『トイ・ストーリー4』だが、「ウッディが物語の中心になったのは2年前だった」というのだ。

「ウッディが一番恐れていることは、自分が行き場を失ったオモチャになってしまうこと。そこで、ウッディの居場所を揺さぶるものの象徴としてボーを登場させたらどうかと考え、その方向へ進んでいったんです。『わんわん物語』のようなところさえありますね。片方は世界に飛び出していて、“こっちのものは欲しくないの?”と問いかける。もう片方は“いいんだ、家にいたいから”と言う。ウッディは後者ですよ。」

リヴェラ氏は、今回描かれるウッディとボーの物語について、「ボーは大きな変化をもたらすきっかけとなりました。ウッディは長年、たくさんの変化を経験してきましたが、彼女にはそれ以上の変化をもたらす可能性があるんですよ」と語っている。二人の関係がどう変化するのか、ウッディにどんな試練が待っているのかは、本編を観てのお楽しみだ。

ちなみに本作ではボー・ピープを適切に描くため、スタッフの選抜メンバーによる「チーム・ボー」が特別に結成されている。キャラクターの見た目や動き、内面などが、脚本・絵コンテ・CGなどの各プロセスに関わるクリエイターによって逐一検討されたのだ。過去の映画や実在する人物も参考にされており、『スター・ウォーズ』新3部作のレイ、『キル・ビル』(2003-2004)の主人公ザ・ブライド、『プリティ・リーグ』(1992)でジーナ・デイヴィスが演じたドティ・ヒンソンのほか、プロダンサーのシャーナ・バージェス、体操選手のアリー・レイズマンといった名前が挙がっていたという。

映画『トイ・ストーリー4』は2019年7月12日(金)全国ロードショー

『トイ・ストーリー4』公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/toy4.html

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Source: ComicBook.com(1, 2, 3), SR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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