「ウォーキング・デッド」映画版、ドラマとは「まるで違う」作品に ─ リック・グライムズ、さらに掘り下げる

人気ドラマ「ウォーキング・デッド」(2010-)が、いよいよ2021年~2022年のシーズン11をもって完結する。その後はアンドリュー・リンカーン主演の映画版『ウォーキング・デッド(仮題)』が控えているものの、映画版はどうやらテレビシリーズとは異なる趣の作品になりそうだ。原作・製作総指揮のロバート・カークマンが米ComicBook.comにて語っている。
「ドラマは明らかに群像劇ですが、こちらはリックの物語。だから、一人の人間としてのリックに焦点を絞り込むことができるし、もっと彼を描くことができるのが良いですね。まったく違う『ウォーキング・デッド』の物語になりそうで、それがとても楽しみなんです。こういう企画をやる時は、映画として筋の通るものにしなければいけない。テレビから期待されるものを広げるだけでなく、まるで違う作品になるでしょう。それでも馴染み深い、誰もが愛するリック・グライムズの物語です。」
映画版『ウォーキング・デッド』は、シーズン9でメインシリーズを去ったリックの“その後”を描く3部作。長期にわたって企画が練られており、脚本はシリーズのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるスコット・M・ギンプルが執筆。コロナ禍のさなかも脚本作業が続けられ、ついに2021年春に撮影が始まる見込みだ。
ロバートの言葉から想像するに、「ウォーキング・デッド」のアプローチは『アベンジャーズ』で知られるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)とは対照的だ。MCUの場合は映画からドラマへ裾野を広げ、それぞれのキャラクターを掘り下げる方針だが、「ウォーキング・デッド」は群像劇ドラマから映画にスピンオフすることでキャラクターに迫るのである。
「ウォーキング・デッド」では、リック主役の映画版のほか、メインシリーズの完結後にダリル・ディクソン(ノーマン・リーダス)とキャロル・ペルティエ(メリッサ・マクブライド)のスピンオフドラマも計画中。米Colliderにて、ロバートは「言えるのは、キャロルとダリルがシーズン11で非常に大きな役目を担うということだけ」と発言。ただいま製作陣はシーズン11に集中しているといい、「シーズン11の製作が終わりに近づく頃には、キャロルとダリルのスピンオフも準備が整うでしょう。今は仕事がたくさんありますから」と話した。
ちなみに「ウォーキング・デッド」シーズン11の結末については、まだ時期が比較的早いこともあり「きちんと考えている段階ではない」とのこと。どのように物語を終えるか、原作コミックをどう活かすかという話し合いはゆるやかに始まっているが「まだ流動的なもの」にすぎないという。
Sources: ComicBook.com, Collider