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「ウォーキング・デッド」ユニバース、まだ物語は「たくさんある」 ─ 2020年、怒涛の42週放送へ

ウォーキング・デッド シーズン10
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大人気ドラマ「ウォーキング・デッド」(2010-)「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」(2015-)からなる「ウォーキング・デッド」ユニバースは、始動から11年目となる2020年、さらなる拡大を見せる。初めての青春ストーリーとなる3作目のシリーズ「ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド(原題:The Walking Dead: World Beyond)」の放送開始を控えているのだ。

むろん、製作・放送を担当する米AMCは「ウォーキング・デッド」ユニバースを終わらせるつもりなど毛頭ないようである。番組制作を統括するサラ・バーネット氏は、米Varietyにて「このユニバースから語られるべき物語はたくさんあると思います」と豪語した。「AMCの企画すべてについて言っていることですが、クリエイティブな面で並外れたものでなくてはいけないのです」。

この言葉をそのまま表すかのように、2020年、AMCは「ウォーキング・デッド」史上初めての挑戦に踏み切る。メインシリーズである「ウォーキング・デッド」が全16話、「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」が全16話、そして「ワールド・ビヨンド」が全10話で、計42週にわたって「ウォーキング・デッド」を放送する見込みなのだ。もはや大河ドラマの領域である。

しかもAMCはドラマのみならず、アンドリュー・リンカーン演じるリック・グライムズを主人公とする映画版『ウォーキング・デッド(仮題)』の企画を進行中。こちらはユニバース全体を統括するスコット・M・ギンプルが脚本を執筆しており、ユニバースの新たな方向性を開拓する内容になると予告されている

なお、ギンプルに信頼されてメインシリーズの製作総指揮とショーランナーを務めているのは、初期段階から脚本家・プロデューサーとして携わってきたアンジェラ・カン。バーネット氏も「これまで作り上げてきたものをファン代表として支援しながら、さらに進化させつづけるための挑戦も求めている」として、そのバランス感覚には一目置いている。なお、「ワールド・ビヨンド」の監督には『キングコング:髑髏島の巨神』(2016)のジョーダン・ヴォート=ロバーツも参加。新たな顔ぶれを迎え、ユニバースの刷新も進められている。

ちなみにニーガン役のジェフリー・ディーン・モーガンは、「ウォーキング・デッド」メインシリーズが完結するまでには「コミックに忠実にやるのなら、まだ3年はかかる」とみている。ただし、一方のカンは「進むペースによって、とても早く終わるかもしれないし、すごく遅くなるかもしれない」と述べているだけに未知数だ。もっともメインシリーズが終わるにせよ、「ウォーキング・デッド」そのものが幕を閉じることはまだまだなさそうだ。むしろ、2010年代を駆け抜けた本作は、まさしく次の10年間を走り出そうとしているところなのかもしれない、

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Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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