ハリウッド版『ゴジラ』2020年以降どうなる ─ 『ゴジラ vs キングコング』後の新作計画は

日本の誇る怪獣王ゴジラをハリウッドが映画化した『GODZILLA ゴジラ』(2014)が、約5年の沈黙を破り、もうすぐスクリーンに帰ってくる。『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は、ゴジラのみならずモスラやラドン、キングギドラが登場する注目の一作だ。
ハリウッド版『ゴジラ』のポイントは、ワーナー・ブラザース&レジェンダリー・ピクチャーズによる「モンスターバース」にシリーズそのものが組み込まれているところ。約1年後、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)とのクロスオーバー作品『ゴジラ vs キングコング(邦題未定、原題:Godzilla vs. Kong)』(2020)で、ゴジラは早くも戻ってくる予定なのだ。ただし、その後の計画についてはいまだ明らかになっていない。その後、ハリウッドで生まれたゴジラはどこへ向かうのか?
集大成『ゴジラ vs キングコング』
遡ること2017年9月、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の撮影現場にて、「モンスターバース」のプロデューサーであるアレックス・ガルシア氏と、本作の脚本・製作総指揮を務めたザック・シールズ氏が、ファンサイト「Toho Kingdom」のインタビューに答えた。
同サイトによれば、東宝とレジェンダリーの契約は『ゴジラ vs キングコング』をもって満了を迎えるとのこと。これが真実であれば、ひとまずハリウッドにおけるゴジラの登場は、同作をもって一区切りということになる。二人は『ゴジラ vs キングコング』後の計画について、このように述べた。
「(『ゴジラ vs キングコング』以降も)作ることができるかといえば…映画が大成功すれば、希望はありますね。」
言葉通りに受け止めれば、同作の公開後、ハリウッド版『ゴジラ』の計画は2017年9月時点では存在しなかったということだろう。『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』と『ゴジラ vs キングコング』が世界的ヒットとなれば可能性が広がる…のだとすれば、2019年3月現在も状況はさほど変わっていないのかもしれない。
その一方で気になるのは、ハリウッド版『ゴジラ』が収まっていた「モンスターバース」のその後である。こちらについても明言はなされておらず、あくまで製作チームは一本ごとの映画に集中するスタンスのようだ。
「一度に取り組む映画はひとつです。[中略]ひとつひとつやっていく、ということです。(モンスターバースを)全体的にこうしたいという目標はしっかりとありますが、それぞれの作品をできるかぎり良いものにしなくてはいけません。」

すなわちワーナー&レジェンダリーは、それぞれの作品に焦点を合わせる戦略でユニバースを構築しているわけである。これはマーベル・シネマティック・ユニバースが長らく取り組んできた方法であり、『ワンダーウーマン』(2017)以降のDC映画ユニバースにとりわけ顕著な方針だ。両作の大ヒットがユニバース継続を左右するのなら、この方向性は理に適っているだろう。
公開が近づきつつある『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は、予告編など新映像が公開されるたびに日本のファンからも大きな反応が飛び出している。ハリウッド版『ゴジラ』の継続を求めるなら、まずは直近の新作を応援するところから。ハリウッドで激突する怪獣たちの闘いを、ぜひ映画館で見守ることにしよう。
映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は2019年5月31日(金)全国ロードショー。『ゴジラ vs キングコング(邦題未定、原題:Godzilla vs Kong.)』は2020年3月13日に米国公開予定。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』公式サイト:https://godzilla-movie.jp/
Source: Toho Kingdom