『キングスマン』マシュー・ヴォーン版『スーパーマン』役、「デアデビル」チャーリー・コックスが検討されていた

『キック・アス』(2010)『キングスマン』シリーズなどでタッグを組んできた映画監督のマシュー・ヴォーンと脚本家・コミックライターのマイケル・ミラーは、2009〜2010年当時、DCコミックスを原作とした『スーパーマン』3部作映画を構想していた。ヴォーン監督は、後にヘンリー・カヴィルが演じることになるスーパーマン役の俳優として、いまやマーベルヒーローのデアデビル役などで知られているチャーリー・コックスに目を留めていたそうだ。
YouTubeチャンネルThe Aspiring Kryptonianのインタビューに登場したミラーは、「マシュー・ヴォーンと、数年前にスーパーマンの映画をやろうって話していたんです。『キック・アス』が公開するくらいの時でしたかね」と振り返る。「面白いことに多くのひとが“ミラーのピッチ(構想案)”だと話しているのは見かけたんですけど、ピッチは作っていませんでした。どんな風になるのかというアイディアはあったんですが。」
ミラーは自身の『スーパーマン』の構想に興味を示したヴォーン監督と、作品について話し合いを重ねたのだという。2人の間では、物語の構想に先んじてもっと具体的な内容が議題に挙がっていたといい、「大規模な3部作構想は頭の中で浮かんでいたんですけど、細かいこと、俳優だったりを話していたんです」とミラー。続けて「それで、不思議にもマシューの(俳優の)アイディアは、あのデアデビル役のチャーリー・コックスだったんです」と語っている。
「マシューは、1年か2年前にチャーリーと『スターダスト』(2007)でちょうど一緒だったんですよ。彼(マシュー)は“チャーリーにはすごく魅力的な何かがある”と言っていて。チャーリーは大きくないし、スーパーマンは常に大きいことも知ってるんですけど。確かチャーリーは、5フィート8か9インチ(172〜175センチ)くらいだったかな。それでマシューは“だけど彼は、もっと普通の人みたいだったゴールデン・エイジのスーパーマンみたいなんだよ”って言ったんです。」
ミラーの言う“ゴールデン・エイジ”とは、スーパーヒーローという概念が定着し、アメコミ人気に火が付いた1930年代後半〜1950年代半ばまでの時代を指している。この時期では、スーパーヴィランと戦うスーパーマンを比較的多く描くシルバー・エイジ(1950年代半ばから1970年頃まで、または1986年までとされる)よりも、街中のギャングや犯罪など、より日常に即した悪事と戦うスーパーマンの物語が展開されていた。ヴォーン監督にどのようなひらめきが生まれたのかは定かではないが、「マシューがやってたら、おそらく他のとは違う面白いものになっていたかもしれない」とミラーが語るように、新たなスーパーマン像がきっと誕生していたであろう。
ところで、ヴォーン監督はミラーの構想をDCコミックスに実際に持ちかけたのだそう。しかし、DC側は“とんでもない。ミラーはマーベルのものでしょう。もし、マーベルで働く人を起用したらDCの人たちに失礼ですよ”と主張し、『ウルヴァリン:オールドマン・ローガン』『シビル・ウォー』など、数々のマーベル・コミックを手掛けてきたミラーの起用を却下。こうしてミラー版『スーパーマン』3部作の構想は実現しなかったのだ。
ちなみに、2017年9月、ヴォーン監督はDC映画『マン・オブ・スティール』(2013)続編の監督として交渉中であると報道されていた。ただし、現在までに正式な製作発表は出されていない。
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Source: The Aspiring Kryptonian