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『ヴェノム』超ヒット続く ― 世界興収まもなく『X-MEN』全作品超え、中国では『ファンタビ』上回る

ヴェノム
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まさかこれほどのメガヒットになることを、いったい誰が予想しただろうか。

米ソニー・ピクチャーズ製作、マーベル史上最も残虐なダークヒーローを主人公とする映画『ヴェノム』(2018)の全世界興行収入が『デッドプール』(2016)の記録をまもなく超え、20世紀フォックス製作『X-MEN』シリーズの全作品を上回ることがわかった。

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©&TM 2018 MARVEL

Box Office Mojoによれば、2018年11月18日(米国時間)時点で『ヴェノム』の世界興収は7億7,947万1,856ドル。米国興収は約2億1,008万ドル、海外興収は約5億6,939万ドルという内訳だ。『デッドプール』の世界興収は約7億8,311万ドルのため、記録更新の実現はそう遠くない。

すでに『ヴェノム』は世界興収8億ドル突破も視野に入っており、サム・ライミ監督作品『スパイダーマン』(2002)の約8億2,170万ドルを超える可能性も浮上してきた。これが実現された場合、『スパイダーマン3』(2007)の約8億9,087万ドルに次いでソニー製作のマーベル映画としては史上第2位の成績となる。

こうした勢いの背景には、『ヴェノム』が中国で驚くべき大ヒットを示している現状がある。本作は中国にて2018年11月9日に公開され、米Varietyによれば、2度目の週末には8,720万ドルを稼ぎ出して初週に続きランキングの第1位を守り抜いた。初週末からの下落率は14%にとどまっており、公開後10日間で1億8,700万ドルを達成。すでに米国興収の累計額に迫る勢いだ。
ちなみに中国では『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が11月16日に公開されたが、こちらは3,480万ドルの発進でランキングの第2位となっている。

『ヴェノム』の世界的ヒットは、続編映画の製作、および撮影準備が進められているジャレッド・レト主演『モービウス(邦題未定、原題:Morbius)』をはじめとした「スパイダーマン」のキャラクターの映画化企画にとって強力な追い風となるだろう。ソニーは女性キャラクターのシルバー・セーブルやブラック・キャット、シルクナイトウォッチクレイヴン・ザ・ハンタージャックポットを扱った作品群を準備しているという。

ちなみに『X-MEN』シリーズは、『X-MEN:アポカリプス』(2016)に次ぐ『X-MEN:ダーク・フェニックス』の公開を2019年6月に控えている。こちらはシリーズ史上最もリアル、かつダークなトーンを示す大人向けの作品で、ソニーが『ヴェノム』で採った全年齢向けの戦略とは大きく異なるアプローチとなりそうだ。

『ヴェノム』公式サイト:http://www.venom-movie.jp/

Sources: Box Office Mojo, Variety, CBR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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